私は、海軍最強航空隊のパイロットだった

高雄摩耶

プロローグ1

1904年に始まった第一次世界大戦。

同盟国、協商国とのヨーロッパでの戦いは、短期的かつ小規模なものに終わるはず。


誰もがそう思っていた。


しかし、戦いは長期化し戦場の規模は急速に拡大。

瞬く間にヨーロッパ全土へと広がった。

さらに、アメリカの参戦を機に、戦場は南北アメリカ

アフリカ、そしてアジアへと発展。

戦争は、いよいよ「世界大戦」となった。


1908年

参戦各国が、もはや戦争継続困難となったこの年。

同盟国、協商国は講和が成立。

ついに、4年間の戦が終結した。


しかし、世界が失ったものは、あまりにも大きすぎた。

各国の軍隊は事実上壊滅。

再建には20年近くかかるともいわれるほどだった。

その中でただ一国、戦後すぐに再建に成功した国があった。


我が「日本」である。


正規軍を失った日本は、戦力の整うまでの「つなぎ」として、「臨時年少兵制度」を発布した。

これは、正規軍が完全回復するまでの間、10代の少年兵による「臨時軍」

を作ったのだ。

当初、この部隊はあくまで臨時部隊であったが、彼らは正規軍にも負けない働きを見せた。

この部隊が有能であるとした上層部は、制度を改正し、男女性別関係なく10代であれば、誰でも入隊できるようにした。

これにより、臨時は拡大を続け、1910年代には陸海軍ともに、もはや正規軍の必要性がないほどまでになっのだ。

そして、1913年。

ついに、年少兵部隊が正規軍として認められ、軍内部全てが10代の少年少女により組織されることとなった。


新生「大日本帝国軍」の誕生である。

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