第12話

《朱凛視点》


土曜日は、すぐにやってきた。まぁ、昨日が金曜だったからすぐに来るのは当たり前だろう。

いきなりだが、言いたいことがあるんだよな。なぜ、私は駅の前で待たせてるんだろうか…

それは、知るためには30分前まで遡ることになる…...


ーーーーー30分前ーーーーー


ドカンッ!


「お兄ちゃんおはよ!」


やけに張り切った愛朱が元気よく俺の部屋のドアを壊さんばかりに開ける。


「んー…あと五分…」


「ダーメ!今日は、デート♪じゃなくて!私に付き合ってくれるって言ったよね?」


「ん?あー、そうだっけ?」


「昨日言ったじゃん!じゃぁ、私先にした降りてるからね!」


あんなに、俺と出かけられるのが嬉しいのか?なんて、言ってたら絶対に嫌われるからやめよう。まぁ、俺も嬉しいし!愛朱と出かけられるの久しぶりだし!

俺は、陽気に鼻歌なんか歌って着替えた。服装は、ジーパンにTシャツとラフな格好にした。じゃぁ、一階に行くか


「あ、お兄ちゃんやっときた」


ん?なぜか、まだ愛朱は愛くるしいパジャマ姿だ。にしても、この歳でクマさんはちょっとアウトだろ…


「なぁ、なんでまだパジャマなのかな?」


「え?だって、まだ服が決まらなくて…えへ♪」


うぅ…可愛いから強くも言えない…


「だから、お兄ちゃん!先に行っててね!」


ーーーーーーーーーー


という、経緯があり今に至るのだが…流石にかかり過ぎだろ。

なーんて考えていると愛朱が家の方から走ってきた。


「ごめーん!お兄ちゃん!」



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