12月24日 一日奴隷さん

 おれが目を覚ますと明日まで15時間。仕事は休み、この15時間はすべておれのものだ。おれは明日まで何時間か?そう考えるようになってから仕事とはいかに不自由をもたらすものなのか理解し、しごとが前よりきらいになり、やすみの貴重さをかみしめるようになった。

 だがおれは休みの貴重さを理解しても、パソコンに座りニュースサイトを巡り、動画を見て、スマフォをいじり、無為に過ごす。やるべきことがあるはずなのに。

 おれはすこし気が沈む。気分を変えようと思いDMMを開く。エロマンガ半額キャンペーンは1月4日まで続く。前に気になっていたマンガをバスケットにいれた。


 佐伯「一日奴隷さん」


 オレは表紙を見た瞬間ピンと来た。メイド服で上半身がはだけ、縛られた女の子、涙を流しながらとろんした表情が、オレの気分をひたすら刺激する。表紙だけでも高まりそうな気分を抑えてオレはページをめくる。

 ここにも好みのイラスト、だがここはこらえて本編一話「はんせい奴隷さん」に移る。


 胸元がはだけた制服の上に反省中というプレートを置いて、扉の前で待機するヒロインコバシちゃん。麻雀で負けた罰ゲームとのことだが恥ずかし気な表情がたまらない!そして麻雀の勝者である西森くんがプレートをめくると丸出しの乳首にクリップと粋な計らい!オレの気分が急上昇!この反省は家事労働が罰だったのに、それがこなせなかったという反省らしい。

 まだ反省が足りないということで、激しいスパンキングがはじまる!顔を紅潮させ倒れるコバシちゃん。本当オレのツボをついてくる。オレの気分も紅潮だ!お仕置きしても喜ぶし、今日は終わりとするところに、最後までしてねだるコバシちゃん。


「そーかそーか だったら…ほらコバシー、お仕事してるとこしっかり見せて、謹厳なこと証明して?」

「(はずかしすぎるけど…ちゃんとしなきゃ…)みてっ下さ…おしごと…てるとこ」

「合格」


 しぶしぶ罰ゲーム受けてますという雰囲気を、だしていたコバシちゃんついに陥落!オレの気分も陥落だ!短いながらも激しさの感じるセックスでオレの気分は上々!

 オレの気分はかなり回復した。回復しすぎてまだまだイケる。オレは二話目「いちにち奴隷さん」に移る。


 話は「はんせい奴隷さん」の前、麻雀でコバシちゃんが西森くん負けてはじめて奴隷になるところからはじまる。時系列は白黒→カラーというのは、よくある構成。

 ドSの西森くんにメイド服を着せられるなんて、あんなことやこんなことさせられるのではと妄想に反して、普通の家事手伝いをするコバシちゃん。オレの気分は徐々に落ち着きを取り戻しはじめる。気があるのに何もしない西森くんに少し落ち込むコバシちゃん。じらされて落ち込み始めるオレの気分。だがついにおふとんが現れる!さぁ!仕事!


 だがはじまるのはタダのマッサージ!まだじらすか!だがついにマッサージと称し胸にセクハラ開始!いいぞ!ブラを取られ、乳首をいじられ、下のほう指でクチュクチュ!ついに最終兵器もあらわれカーニバル開始まで秒読みだ!

 だがタイマーがなり奴隷タイム終了と打ち切る西森くん。いつまでじらすきか!


「ここからはコバシの自由意志ってことになるけど、このあとはどうする?」

「西森のっ、おちんちんをっ…、こっ、ここにっ…入れてくださいいいいっ!!」


 オレもコバシちゃんもじらしやがってこのヤロウ!はじめてなんだからというセリフを無視してムネも下もアソコも攻める!痛いだけで気持ちよくないと強がる表情が本当にきく。じらされて分オレの気分は大爆発で気持ちがいい。


 この後コバシちゃんが麻雀にまた負けてスク水、アナル開発、Hな妄想にと大忙し。でも何かとコバシちゃんをイジってくる西森くんの叔母、向島さんが出てきて二人の関係は変化していく。


 俺の好みにスッポリはまって本当にこれはいい買い物だった。ちょっと作者のことに調べると女性作家と出てきた。エロマンガの作者は意外と女性が多いと聞くが少しびっくりした。



 俺の気分がすっかり良くなり何でもできるような気分になる。だがパソコンの前に座っていればまた様々なコンテンツに引き寄せられ、俺はまた似たような一日にを過ごしてしまうだろう。やろうとすることは家の中でも出来ることだが、あえて外に出て誘惑を断つことにした。メシ、フロ等々済ませて外出する準備を整える。明日まで13時。俺は扉を開け外に出た。

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