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黙り込んでしまったオレを見て、子供達の言葉で気を悪くしたと思ったんだろう。
代表がますます慌てて、「こら」と子供達を叱るべく口を開いていた。その声音は少し聞いただけでも、さっきよりも怖くて、思わずオレでさえ身構えてしまう。
だけどオレの所為で子供達が怒られるのは可哀想だ。
オレは代表を制して、小さく首を振った。大丈夫です、気にしていません。そんな意図を込めた仕草は、幸い代表にスムーズに通じてくれたらしい。
申し訳なさそうに眉を垂れ下げ、何度かぺこぺこ頭を下げられたけど、子供達を叱り付ける事はなかった。
足や服をしっかりと掴まれているから、身を屈める事は難しい。
それでも出来る範囲で腰を落とし、子供達と目線を合わせて、オレはきっぱりと言いきった。
「大丈夫だよ」
それは気休めではないけれど、保障はなくて。
何処か自分で言い聞かせたかったのかもしれない。
オレは覚悟を決める時、勇気が欲しい時にするクセになってしまった行為……あの日父さんから押し付ける様にして授かった、代々伝わる伝説の剣、今はオレの腰に掲げられている、魔王討伐の為の剣の柄にそっと触れた。
「オレは魔王を倒して、きちんと帰ってくるからさ。そしたらまた遊ぼうぜ?」
そんな言葉で、子供達が“本当に”納得してくれたのかは分からない。
それでも1人が頷いてゆっくりと離れたのを切っ掛けに、オレに必死でしがみ付いていた子供達は、ゆっくりと全員離れていった。
代わりに全員から“絶対また帰ってきて遊ぶ事”という指切りをせがまれてしまったけど。
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