一日目⑦
荷物を受け取った二人は、迎えにきてもらうよう手配しておいたホテル側のドライバーと空港出口で合流した。
ちょっとムッとする甘いような匂いに、サクヤは人差し指で鼻の下を触る。
「Where is the money exchange?(両替所はどこですか?)」
中学生レベルの英語でサクヤが話すと、ドライバーは二人を両替所へ連れて行ってくれた。だが、両替場は到着した旅行者で混雑しており、どれだけ待てば順番がまわってくるのかもわからない。
顔をしかめるキョウは、サクヤを見てくる。
「どうする?」
「他に両替できるところがないか聞いてみよう」
サクヤはつたない英語でドライバーに訊ねると、ホイアンでもできるとの言葉を聞いて安心し、車へと乗り込んだ。
とはいえ、ホテルに着くころには暗くなっている。両替所の営業時間外なら両替できない。本当にできるのだろうか。
疑念が残りつつも、ドライバーを信じ、二人はホテルへ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます