君を守る

長月あかね

第1話

私には幼馴染がいる。

 隣に住む鈴川涼太という少年だ。彼は私の二つ上で、高校の先輩でもある。

 いつも面倒を見てくれてくれる優しい人だ。


 しかし、涼太くんは“過保護”である。

 まだ一緒に登下校するだけならいい。許せる。

 でも、高校生にもなって一人で行くなとか、一人で帰るなという。

 そして、一人で遊びに行くなとも言う。

 理由を聞けば“危ないから。”と言った。


 意味が分からない。なんで涼太くんに私の行動を狭められなければいけないんだと思って、一人で家に帰った。


 帰る途中────

 跡を付けられてるのが分かった。誰か分からない。

 でも涼太くんではないことは確かだ。

 大人の男の人が数人…

 この人達はいったい…

 勇気を振り絞って後ろを見た。

 その時、一人の男の人が私の口にハンカチを当てた。

 意識が無くなりそう…

 そんな時聞き覚えがある声が聞こえてきた。


『こりゃあ驚きだ。で、あんた達は何しているんだ?』


 あぁ…涼太くんの声だ。

 そう思ってからの記憶が無い。

 目が覚めたら自分の部屋のベットで寝ていた。


 隣には涼太くん。

 涼太くんは私が起きたことに気づき、安心した様な…でも情けない顔をして謝った


『助けてやるのが遅くて悪かった。』


 言いつけを破って一人で帰ったのは私なのに…

 私こそごめんなさい…そういって俯いた。


涼太くんはなんで約束を破ったのか、なんで一人で帰ったのかを聞いてきた。

その顔は真剣そのものだった。


私は泣きながら言った。

一生懸命言ったからなんて言ったかなんて正直ほとんど覚えてない。


でも、“涼太ばっかりに世話してもらうわけにはいかないから…もう高校生なんだから自立しないと”


と言ったのは覚えてる。

涼太くんは『俺が好きでやっているだからいいだろ。周りになんか言われたのか?そんな奴放っておけ。言わせておけばいい』と言ってきた。

もう表情が怖かった。

また泣きそうになった


先週、二人で帰るのが当たり前だった私にクラスメイトが涼太くんと付き合ってもいないのに一緒に帰るのはおかしいと言ってきた。


一昨日は女の先輩…多分涼太くんのことが好きなんだろう。

嫉妬して私にもう一緒に帰るのをやめろって言ってきた。


はっきりいってそうだと思った。

私のなんかと帰るより友達や彼女さんと帰った方が楽しいと思ってしまった。


だから一人で帰ろうって思ったのだ。

もちろん言われたことは秘密だが。


うん。とだけ返しベットの中に潜り込んでしまった。

涼太にはありがとう。もう大丈夫だから。と伝えた。



ごめんなさい。ごめんなさい。こんな態度しか取れない私を許して。

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君を守る 長月あかね @Akane0907

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