永遠のスター

それでも君は僕のスター。どうか、どうか、落ちてこないで。君に地上は似合わない。


君は無遠慮な優しさで人を惨めにしてトイレで泣かす。そんな人。その心の内はどこまでもどこまでも善意で埋まっている。

あの時だって、君はあの子を惨めな気持ちにするつもりじゃなかった。ただ側にいて慰めてあげたかっただけ。でもダメなんだ、そんなことは。

君はまばゆい光を放つスターだ。恒星に照らされてやっと輝くことができる僕らは、あまりに近くで君に照らされてしまうと、自分が輝けないことを知って惨めになってしまう。


帰り道、君は言う。

「私あまり軽率に行動しない方がいいのかもしれないわ。あの子、あんなに傷ついて……。私、何か間違えたのねきっと」

結局、君は分からないんだ。何が彼女を傷つけたのか。

「どうかな。君が間違えたかは分からないけど、どちらにせよあの子は泣いていたと思うよ」

そう僕は君に言う。君を輝かすため。

「そうかしら。私、今までもこんなことたくさんあったの。きっと、私が良いと思うことと、みんなが良いと思うことって違うのね」

「そりゃあみんな違う人間だもの。完璧な一致なんてありはしないさ。それに、君がそのままでいてくれた方が僕は救われる」

「……そう?ならもう少しだけ、私なりにやってみようかしら」

「うん、それがいいよ。君はそれがいい」

だって君はスターだもの。スターの輝きに目を潰すあの子達が悪いのさ。君の輝きがそんなことで失われちゃいけないんだ。


無遠慮で利己的な僕のスター。どうか、どうか、気づかないで。僕らの気持ちを踏みにじっていることも、その身勝手さも、何も知らずに空高く輝いていて。

君はいつまでも僕のスター。落とすわけにはいかないんだ。君に地上は似合わない。


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