第4話:透明
翌週、部活にいくと
カズハ「スケッチばっかりやってると飽きるでしょ?」
私「え?あ、まあ」
カズハ「今度は水彩やろうよ」
私「・・・はい」
カズハ「さて・・・、何描こうか?」
私「・・・」
ユウキ「難しい質問をしている気がするよ」
カズハ「ははは、そうか・・・じゃあ3人で教室の風景でも描くか」
ユウキ「うん、そのくらいでいいかもね」
私「はあ・・・」
2人が準備をしてくれて絵の具と画用紙を用意してくれる
カズハ「じゃあ、いってみようか」
私「え?」
ユウキ「ははは、じゃあ簡単に鉛筆でレイアウトだけ簡単に薄くかいてみて」
私「はい」
カズハ「いきなり絵の具だけでもいいよ」
私「色だけですか?」
ユウキ「ああ、それでもいいけど・・・いきなりは難しいと思うよ」
カズハ「最初からやってみても意外と楽しいと思うよ」
私「・・・一応簡単にレイアウトだけ書いてみます」
ユウキ「水彩画はカズハの方が得意だから任せるよ」
私「お願いします」
カズハ「え~人に教えるのは別の話じゃないの?」
ユウキ「見せてあげればわかるよきっと」
カズハ「・・・そうかな~まあいいや」
教室の輪郭を描いたところで
カズハ「じゃあ、色をパレットにだして」
私「どこから塗るのがういいですかね」
カズハ「う~ん、奥の方から・・・か、濃い部分から、かな」
私「なるほど・・・」
カズハ「色合いによっては中心からとか、手が汚れるから利き手の反対側から塗る人もいるらしいけど・・・全体の色のバランスを見ながら塗りたいかな・・・」
私「色々なんですね」
カズハ「うん、絵の描き方にルールはないからね・・・」
ユウキ「昔、デッサンの描き方って本をみたら自分の描き方と違っていて違和感があったよ」
カズハ「それで私はプロで描いてますって人だからね・・・万人向けではないでしょ」
私「そうなんだ」
カズハ「私は水彩画の書き方って本に習って書いたら自分の絵じゃ無くなったから、その手の本は見るのやめたな・・・」
私「じゃあ、描き方の本は見ない方がいいですかね」
カズハ「・・・う~ん、参考程度に見るのはいいかな、全部マネしない方がいいけど・・・あ、いきなり濃く行ったね」
私「え?」
カズハ「まあ、いいか、最初だしね」
私「う~」
机、床、壁、窓に色を付けて・・・
私「なんか奥行き感がおかしくなってきました」
カズハ「・・・ん~、ちょっと筆かしてね・・・」
私の横で色を修正し始めました。
肩がふれるくらいの距離です。
カズハ「見ててね」
私「はい」
私(・・・あ、この人・・・匂いがしない・・・なんだろう)
カズハ「しょうがないから、色の濃さを変えて塗り直すか・・・」
私(この人は華奢な感じだな・・・首筋なんて・・・細くて・・・・あ、色っぽいかな・・・)
カズハ「こんな感じかな、ん?顔赤いけど大丈夫?」
私「・・・は、はい」
カズハ「もう少し色のバランスが取れるように薄く塗った方がいいかな・・・窓は透明だから、うっすら塗るくらいにしないとね」
私「ははは、そうですよね」(・・・なんだろ、どきどきしてる・・・)
ユウキ「お、もうこんな時間か・・・そろそろ終わりにしようか」
カズハ「うん」
かたづけながら
私(・・・あれ?私の匂いって・・・どんな匂いだろう)
ふと、そんなことを思ってしまった。
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