第10話 最弱の友人に強者の元ともだち

10話

ヘリの中で到着までお茶をしている1人のお嬢様。


「お嬢様、ザタン様の所属している学園に到着しました」


屋上のヘリ降り場に到着すると3人の先生が待ちわびていた。


お嬢様が降りると、3人の先生はヒザをついて敬意のポーズをする


「ようこそ、我らの学園へ、ヤルルお嬢様」


「ええ、お迎えありがとう。いきなり本題に入りますが、ザタンと言う方はどちらに?」


「ハッ、Eランクの教室に居ます。私が案内しましょうか?」


「結構ですわ。それを言ってくれただけで私はたどりつけますので、それでは向かわせてもらいます」


ヤルルはザタンのいる教室に向かった、そんなことも知るよしもない授業中のザタン達


「えー……ここがこうでこういう結果になりまして、これをすることでジャマースライムは変化を起こして即死します」


ワリンがいつものように授業をする。


「先生、間違ってるぜ。そこの結果の所が、変化じゃなくて変異じゃないのか?」


「あっ……私ったらつい」


ワリンの授業で珍しい間違いをして、皆に笑われているが、俺は妙に思った。


普段、授業では絶対間違うことのないワリンがしょうもない間違いをしたからだ。


(あいつなんか悩みでもあるのか?)

そう思っていたら、教室の扉がいきなり空いて、スーツを着た男達がゾロゾロ入ってきて教室をくまなく検査して


「異常なし」


1人の男がそう言うとレッドカーペットがコロコロと敷かれて、1人の純白のドレスを着た女性がやってくる。


「あれはまさか……」


「この学園に!?」


「驚異」


「ヤルルお嬢様だ!」


4人は机と椅子を即座にどけてヒザをつけて敬意のポーズ


「な……なんだお前たち?どうしたんだ?」


「どうしたってザタンあなたもヒザをつきなさい!」


ワリンもヒザをついて敬意のポーズ


「いいえ、構いませんわ」


ヤルルお嬢様はザタンに近づき手を取る


「な……なんだよお前」


「いきなりの無礼を失礼の承知で言わせてもらいます。ザタンさん、私と婚約して下さい」


「「「「「えー!!!!!!!!」」」」」


「はぁ!?」


「婚約がダメなら結婚、結婚がダメなら不倫、不倫でもダメならセ○レでも構いませんわ!!」


「いや、どんどんエスカレートしてるじゃねぇか!!」


俺はツッコム


「と……とりあえず離れてくれないか?さっきから苦しい体勢なのでな」


ヤルルお嬢様に迫られ過ぎてブリッジのような姿勢になっているザタン


「ハァ!私ったらつい……」


「ところで君は誰なんだ?」


「覚えておられませんか?数年前、山での出来事を……」


「山だと……」


俺は思い返すと記憶に残ってた


「まさかお前、ヤルちゃん!?」


「久しぶりです。ザンちゃん」


「な……何?ザタンの知り合いなの?」 


「あぁ、俺が一時的に山で暮らしていたとき、ヤルちゃんは迷子になっててな。向かえが来るまで俺と一緒に暮らしていたんだ」


「その通りですわ。私とザンちゃんの愛の日々を皆様にも見て貰いたかったですわ」


「いや、愛の日々って何もなってないだろ。ところでいつまでお前らいつまで頭を下げてる気だ?」


「…………」


逆らったら殺されると言う空気になっているので皆は俺の言葉を耳にしない。


「やれやれ、ヤルちゃんこのゴツい人たちを下げさせろ」


「わかりましたわ。あなたたち下がりなさい」


「しかし……」


ゴツい人の1人が心配そうにする


「早くしなさい」


ゴツい人たちは下がり、ヤルルお嬢様を守っていた人は誰も居なくなる。


「これで良いですわよね?」


「あともうひとつ、こいつらにも俺と同じ感じで接してほしい」


「「「「「!!!」」」」」


アーチ、ミッド、オリマ、ロージ、ワリンは驚く


「わかりましたわ、あなたたち顔をあげなさい」


「え……でも」


アーチが戸惑う


「今日からあなたたちは恋のライバルなのだから、私と同等の権利を与えないとつまらないですし」


「みんなヤルルちゃんもこう言ってるしさ、普通に接しようよ♪」


ミッドの積極さで全員が顔をあげて、普通に接する覚悟が出来たようだ。


「皆さんありがとうございます。さぁ、ザンちゃん結婚しましょうか?」


「いやいやいや!!」


俺はヤルちゃんのいきなりさにはちょいドン引きであるがツッコム


「なんで断るんですか!私のこと好きじゃないのですか!?」


「そうじゃねぇよ。俺は将来の夢のことを知ってるか?一夫多彩で結婚したいんだ。だから1人じめしようと考えているお前とは付き合えねぇな」


(あっ、そうなんだ。1人じめ考えている人嫌いなんだ)とワリンは心の中で思う。


「なら私はその中に入りますから、結婚してください!」


「無理だ……」


「どうしてですか!」


「だってヤルちゃん。俺のことを100%好きじゃないだろ?」


「そんなこと……ないです」


「図星か」


「なら私は学園に入学して卒業までにかならずザンちゃんの心をつかんで見せますわ!」


ヤルルはAランクのクラスの実力者にも関わらず理事長に多額のお金を支払いEランクに入学することになった。

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