第7話 最弱はデートから始まりデートに終わる

7話

彼女の名前はミッド、ウルフの里から来た人間とウルフの血が流れたウルフ族の1人、そんなミッドには困っていることがあるそれは……。


「ミッドちゃん」


「まーたあなた?」


気に入らないことがあればミッドは♪の語尾は無くなるのが彼女だ


「そろそろ一緒に食べに行こうよ」


「いい加減やめて欲しいんだけど、私彼氏持ちなんだけど?」


「初耳なんだけど、なら今日俺に紹介してみろよ」


「いいわよ?あなたより飛びっきりカッコいい彼氏紹介するから」


いつもストーカーであとをつけてくるのはDクラスの男の子、彼はミッドのことが好きであとをつけ回しているので、思わずミッドは嘘をついてしまいどうしようかと悩んでいた。


「はぁ~」


「どうしたのミッドさん」


「実は最近ストーカーする人がいて私をつけ回してきて迷惑なんだよね」


「うわ~……気持ち悪いですね」


「私はこそこそ隠れるより堂々と接してきていいと思うんだけどな~。それで何処かに行くとか誘われたけど、彼氏がいるからって嘘で断ったんだけど私、居ないからどうしようって思って……」


「つまり彼氏がいればやつは諦めるのか?」


「ザタン君、やってくれるの?♪」


「追い出すだけならな、困っているミッドの為だしな」


「やった~♪」


しっぽをぶるんぶるん振り喜ぶミッド。


「やつのクラスは?」


「D組の子なんだけど、もうじきこのクラスにくるはず……」


「たのもー!!」


いきなり入ってきたせいかビクッとする俺以外の4人


「やっときたわね♪」


「さぁ、彼氏は何処なんだ?」


「この人が私の彼氏でーす♪」


膨らみのある胸を当たらせながら腕に抱きつくミッドに、ぷるぷると我慢して震えるロージ、どうやらロージも抱きつきたいのだが、ミッドの一時的な芝居を邪魔しないために我慢している。


「そんな……本当に居たなんて嘘だぁぁぁ!」


「と言うわけで私のことは諦めてね♪」


これで芝居は終わりかと思った。


「なら証明しろ!」


「……え?」


「今日の放課後、俺の監視のもとデートしろ!」


「良いよ!」


「「「え~!!!」」」


考えていなかった展開に驚く俺以外の3人、Dクラスの男の子は教室に帰った。


「おい、どうすんだよミッド、ここまでなるとは思わなかったぞ」


「だって~」


「まぁいい、もう少し付き合え、確かに俺が彼の立場なら疑うのも無理はない」


「え~!!まだ続けるのか!?」


「すまん、まだ我慢しててくれローちゃん」


なでなでしてなだめる


「じゃあ作戦会議しますか!」


アーチが珍しく自分から声を発した。


「何の?」


「訳して、ストーカーの男の子を追い払っちゃお大作戦!!」


「お~♪」


パチパチと拍手するミッド


「アーチ、なんかキャラ変わってないか?」


「細かいことは気にしない、と言うわけで先ずは作戦その1、遊園地でデートしよう!」


「遊園地でデート?なんか定番過ぎないか?」


「定番だからこそ良いんです!遊園地でデートすることで、本当のカップルなんだなと認識させることが出来るのです」


「そうなのか~。メモメモ……」


「……ってなんでメモってるんだよローちゃん」


「それでもダメなら次はこれ!作戦その2、水族館で絆の強さを見せつけるのだ!」


「絆の強さか、それは案外重要そうだな」


「その通りです!カップルに大事なものそれは、将来協力しながら暮らせる能力があるかの絆です」


「へぇ~♪勉強になるよ~♪」


「と言うかなんでアーチはこういうのになるとスゴイ知恵者なんだよ……」


「それがダメなら最後の手段!公園でキッス!」


「キキキキキキキスゥ!?」


ミッドは動揺している。


暴走したアーチの頭に向けて本をぶつけるオリマ。


「痛っ!!」


「深呼吸」


1こと言葉を伝えて、ふたたび自分の机に座るオリマ。


「すみません。暴走しました……」


「アーチさんったらキャラ変わりすぎだろ」


ロージの冷静なツッコミ


「あくまでもキッスは最後の手段なので……」


「そそそ、そうだよね!そんないきなりとかあり得ないよね!♪」


「作戦も考えたことだし、私たちは、ミッドさんのおめかしをしてきます!」


ビシッ!と敬礼をするアーチ、ロージ、放課後ミッドとデートすることになった。

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