第6話 最弱が勝っても最弱に戻る

6話

昨日の決闘は、俺が勝ったのにも関わらず、スリーパーホールドを解かなかったので、反則負けで引き分けと言う結果に終わった。


俺は覚えてないがロージが気絶したあとワリンが駆けつけてフライパンで俺の後頭部を叩いたことで正気に戻ってスリーパーホールドをようやく離したらしい。


「すごいですねザタンさん。まさかあのBランクであるロージを倒すなんて」


「俺もアーチが怪我をさせられてキレて何も覚えていないけど、アーチの怪我が大したことなくて良かったってところかな?」


「ザタンさん……」


見つめ会うザタンとアーチ


「あれれ~♪アーチったらザタン君のこと好きになったのかな~?♪」


「ち……違うよ!」


「図星」


「もう、違うってば~!!」


「はいはい静かに~」


ワリンが教室に入ってきた。


「ザタン、勝負は引き分けになってしまったわけだけど、あなたの要望を聞かせてもらいたいのだけど、どうするの?」


「確かロージの勝ったときの条件は俺のクラスの女子をBのクラスに昇格させると言ったやつだったよな?今回引き分けになってしまったし俺の要望はロージをこのクラスに入らせたい。やつを弟子にして世界一の武道家に鍛えてやりたい」


「……だそうよロージさん。自己紹介しなさい」


教室に入ってきたおめかしをしたロージ、男姿とは違い女の子になると美人だ。


「どうも、ロージだ。武道家の道場を父が経営しているんだけど、よければ見学に見てくれると嬉しい。」


男口調はそのままである。


「え~!!!ロージくん!?あなた女だったの!?」


「うん」


「へぇ~♪私たちより可愛いじゃん♪」


「ありがとう」


「プリティー」


「どうも」


3人はロージの美人姿に目をひかれた。


「じゃあ好きな席に座って」


ワリンがそう言うと何故か俺のほうを見て、近寄ってくる。


俺の膝の上に座る。


「「「え~!!!!」」」


「おい、ロージ」


「私ここが良い。あと、ローちゃんって呼ばないと返事しない」


「ロー……ちゃん」


「はい、ダーリン」


「ザタン~?これはどういうことなのかしら?」


メラメラとオーラを出すワリン


「待て、誤解だ。ほらローちゃんも何か言ってくれ」


「私はダーリンに体のあんなところからこんなところまで隅々と見られダーリンの物になったのだ」


「ザタン~!!!!」


ワリンはフライパンで俺をボコスカ殴るのであった。


「フン!」


授業にも関わらず出ていき強めに戸を閉めるワリン、しかしワリンは戸の向こう側で胸を押さえて顔が赤くなっていた。


(何よ!なんで私はこんなにイライラしてるの!あ~!ムカつく~!!)と心の中で叫びながら自分の教室に帰るワリン。


そのころある一人の女性が面接官と試合したザタン、ロージと試合したザタンの映像を見ていた。


「このザタンと言う男もしかして……」


映像を見て不信感をいだくのであった。

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