第5話 最弱でもキレて我を失うときは誰しもある
5話
決闘当日、3人にこのクラスに残りたいから勝って欲しいと言う希望を昨日言い渡された。
ロージは実力のある武道家だが、彼女たちの希望は俺が本気をだせば聞ける。しかし幼馴染みのワリンに強さを見せてはいけない。
手加減もランクが違いすぎて難しい。
俺はどうすれば良いか考えるが面接官を倒したときのようにマグレで勝ったように思わせるのは不自然になるし、他の手で小細工して勝つには俺の最強の技を解放するしかない。
やっぱりわざと負けるしか道がないようだ。
俺は闘技場に着くとロージが檻かごに入れた3人の前に立ち余裕の表情だ。
「逃げずによく来たな」
「彼女たちを檻から解放したらどうなんだ?」
「それは出来ない。檻から解放したら逃げる気だろう?」
「逃げねぇよ。お前じゃあるまいし」
「クッ!バカにするなぁ!!」
ロージはアーチの檻かごを倒す。
「キャア!!」
「アーチ!」
「フハハハハ!俺に逆らうからこうなるんだ!!」
アーチを見ると腕を挫いていて、痛がっていた。
しかし、この光景を見た俺はぶちギレた。
「テメー……。貴様はやってはいけないことをやった……」
「不味い!ザタン落ち着いて!」
ワリンが客席から声をかけるが、声は届いていない
「フン!さっきより強いオーラを感じるが、Eランクごときのお前が勝てるわけねぇんだよ!」
「…………黙れ」
そして試合開始の合図が始まったと同時に、ザタンは本来の力、つまり本気を出し武道家のロージに一瞬の間に移動してボティーブロー。
「ぐふぉ……早い!」
うずくまり声をあげながらザタンの攻撃の早さを解説する。
「しかし、俺は武道家だぜ?そんなボティーブロー耐えれるっての!食らえ目潰し!」
人差し指と中指でサミングを狙うが、ザタンは一瞬の間に後ろにまわり首を締めてスリーパーホールドだ。
ロージは投げようとするも、キレたザタンの首閉めが相当きつく投げられずにタップをするが、キレたザタンはスリーパーホールドを解こうともしない。
「やめろザタン!もう勝負はついているんだ!」
審判が必死に解こうとするがザタンの力が強すぎて外れない。
「グッ…………フ……」
口から泡まで吹き出したロージ
「誰か……こいつを……めろ……」
ロージはこの言葉を最後に気を失った。
『私、死んだのかな……?暗い……』
ロージは暗闇の中をさまよっていた。
『あれはおじいちゃん?』
『ロージ、女に戻り、ザタンと結婚するのじゃ……』
『でもおじいちゃん……』
『もう良いのじゃ……我が娘よ。ここからはお前が決めるときじゃ……』
その言葉を聞いたあと光が見えたと同時に目が覚めるロージ。
「あ……れ?俺……」
「気がついたかロージ」
「お前はザタン……」
「すまなかったな。やり過ぎた」
「……本当に手加減しろよな」
「ところでよロージ気づいたことがあるんだが……」
「なんだよ、言ってみろ」
「いい加減服を着てくれないか?」
「へ?」
ロージは自分の体を見る。
「あ……あ……あ。キャッ!見た?」
顔が赤くなり病室の布団で全裸の体を隠すロージ
「少しだけな……」
「変態!」
掌底で俺のほほをビンタした。
さすがに最強の俺でも効き窓の外にふっとんでしまったが怪我はせずにすんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます