第2話 最弱でもバレずに勝つのも死ぬほどだるい
2話
「勝負だ!」
始まったと同時にこん棒構えて突っ込んでくる面接官
「ぐっ!」
とりあえず剣で防御する俺
「反応早いじゃねぇか、だけどよそっち防御するとお腹がお留守になるんだよ、フン!」
「グフッ!」
俺はわざと攻撃をうけて剣を落としたが、俺は最強なので痛くもなんともないのだが大袈裟にうずくまる。
「顔を見て少しはやると思ったんだが期待外れだったな」
面接官は、もう終わったのか?と言う顔で見てくる。
俺は面接官のニヤついた顔を見て、なんかムカついた。
わざと負けたフリしたときのゴブリンの笑い顔も最初はイラついたが何回も戦うことで対応したものの、今回は色んな感情の持った初めて人間と戦うのだから余計に殴りたくなる。
しかしやり返しは一切出来ない、何故なら幼馴染みが見ているのだから……。
俺は思った(策を考えろ、こんなとき本当の弱いキャラがすることを……。よし、あの手で行って見るか)
「すみません。ルールを変えてもらえますか?今のクリーンヒットで体が持ちそうにないので……。1回でも倒れたら負けと言うルールで良いですか……?」
面接官は少し黙り考えた。
「う~む……」
(頼む!俺の演技は完璧のはずだ。調子に乗ってOKしろ!)
「良いだろう。それくらいの要望は聞いてやる。しかし手加減と言う要望は聞けないがな」
(よっしゃ!キタ!)
俺はわざと倒れそうなふりに見せるため体が全体を痙攣しているかのようにぶるぶると動かせ剣をとり右手だけで構えると面接官が審判にルール変更のことを伝えるとOKサインが出た。
面接官は突っ込んでくるので、俺は最強だとバレるかもしれないが勝負に出た。
俺は左拳を皆が見えない速度で面接官の顔面をとらえて、剣で倒したかのように見せるため素早く両手で構えて胴を切る。
面接官は倒れた。
「勝者、ザタン!」
審判がそう告げたと同時に意識を失ったふりをして自分も倒れる。
俺は緊急隊に運ばれて医務室に行き、しばらくしてから目を開けると病室のベットで寝ていた。
「目が覚めたわね」
「ワリンか……」
「気分はどう?」
「最悪の気分だね。まだ腹が痛いぜ……」
もちろん最強なので腹は痛くない。
「まさかゴブリンに勝てなかったあなたがマグレで勝てたとはね」
もちろんマグレではなく実力で勝ったのだが、そんなこと言えるはずもなく。
「ちょっと見直しちゃった」
「……ったく当たり前だろ?だから言ったろ俺が勝つって」
「じゃあ私はエースとしての仕事があるから」
そういって部屋を出ていった。
俺は今のワリンのデレ顔にちょっと疑問を持った。
(今明らかにデレてたのか?しかし、俺はマグレではなく実力で勝ったのだ。もしかしてバレているのか?)
そういうことが脳内にちらついて、夜も寝れなかったザタンであった。
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