最弱すぎるへなちょこ剣士は実は最強な件
@SHUVIL
第1章 最弱編
第1話 最弱を貫くのも楽じゃない
1話
ある日の良い天気、それは我等にとっては最高のモンスター狩り日和……なのだが
「フン!」
俺の地面も突き刺さるほど気合いの入った攻撃を避けるゴブリン、ゲシシと笑っている。
「もう何やってんの!ファイアー!!」
ゴブリンは悲鳴をあげながら倒れていく
「やっぱりお前はすごいなワリン、憧れるよ」
俺の幼馴染みであり魔法使いのワリン、昔からモンスターを討伐するときからいつも一緒だ。
「ザタンったら、いつになったらゴブリンを倒せるの……」
幼馴染みのワリンにいつものように飽きられる。
「あっ、もうこんな時間か……。ワリン、お昼にしようぜ。悪いけどお弁当取ってきてくれるか?俺の家に忘れちまってよ……」
「……ったく、自分の弁当くらい自分で持ってきなさいよ」
ワリンは俺のお弁当を取りにいった
「よし、チャンスだ。今しかない」
俺は今日もモンスターどもを派手に殺す決意をするザタン。
決められた時間を設定してゴブリンを存分に狩っていく、何故さっきザタンはわざと攻撃を外したのか、それは俺が最強過ぎるからだ。
最強なら最強で良いじゃないかと思うだろうが、何故こんなことやってるかには原因がある。
それは昔、5歳の幼馴染みのワリンは言った。
『私、強い人嫌い。将来付き合うなら弱くて便りがいがない男の人が私好き、だって可愛いし守ってあげたくなるもん』と言ったことが原因だ。
俺の両親の肩書きは、父は伝説の勇者、母は幻の召喚師であり、俺が物心ついた時から俺に訓練をつけたが、戦闘の才能がないと教えることをやめた。
本当のところ戦闘の才能がないとわざと思わせて、自分は両親の教えられたことを山で訓練し、小型~大型まで幅広くのモンスターを1人で討伐した。
もちろん俺が1人討伐している所は見られたことがない。
市民を助ける人物が居ないときの緊急時には布で作った自作の覆面を被って、『俺の名前はキャプテンナイツだ!!』と中二病設定をわざと発生させたこともある。
そんなわけで俺は最弱設定を拗らせているのである、全ては幼馴染みに嫌われたくないがために……。
俺は幼馴染みの元に行くと、お弁当を持ってベンチに待機している。
「ちょっと遅いわよ!何してたの!?」
「そこの影で野グソしてた」
「汚いじゃない!デリカシーないの!?」
「だって聞いたじゃないかワリンが……」
「いいわけはいいの!ほら、私忙しいんだからさっさと弁当食べなさいよ!」
俺はワリンに急かされて自分の弁当を食べるが、ワリンに『はい、あ~ん』などしてもらえると想像していたがそれは叶わぬ願いだった。
食べ終わったので、ワリンと別れて家に帰りくつろいでいると、ガサッと言う音が聞こえたので、俺はポストを見るとそこには入学してほしいと手紙が来た。
俺は学園入学を望んでいたので、手紙に入っていた申請書にサインを書きそれを送り返す。
その1週間後、学園に来てほしいと言う手紙が来たので俺はワリンの家にノックをするが応答がない、留守のようだ。
それはそうだ、彼女はレベルが高く、可愛く、強いの文句なしだから他のメンバーにパーティーを誘われるのは日常茶飯事なのだ。
仕方ないので俺は1人でその学園に向かい怖そうな面接官と面接をすると、どうやら実力が知りたいので対決したいと言うのだ。
俺は了承すると、早速闘技場に連れて来られるとギャラリーで一杯だ。
さすがにここにはワリンは居ないから本気出せるとそう思った瞬間に怖そうな面接官がこういった。
「実は君を応援したいと言う子が居てね。この学園のエースだ」
俺は誰だろうと思っていると、誰かが背後から来たので後ろを振り向くと、ワリンだった。
「あっ……」
「あっ……」
ワリンと同じセリフで被ってしまった。
「あんた何やってんの……?」
「見て分からねぇのか?今から面接官と戦うんだよ」
なんとか切り返した。
「なんかさっき見たことない構え方してたけど……」
「何いってんだ?構えるときはいつもこんなんだろ?」
「ふーん……」
(ドキドキ……)
「そうね、私の勘違いだったみたい。それでゴブリンも倒したことないあなたが勝てるの?」
「当たり前だぜ」
「はぁ……自信は良いけどせいぜいやられないでね?負けたらこの学園に入れないみたいだから」
その言葉を聞いてヤバイと思った、何故ならこの学園に入れなければ生活面で困るからだ。
この学園に入れば食費、寮費、光熱費、資金まで貰えて将来も生活が楽になる。
最強過ぎる素性を隠しながら生活するのには収入面でキツイ。
勝とうと思えば勝てるがそれは出来ない、何故なら幼馴染みの前では弱く居なくちゃいけないからだ。
しかし手加減しようにも手加減はゴブリンにしかしたことないから人間相手の手加減の仕方が一切分からない。
下手に手加減しても強すぎると判断され幼馴染みに嫌われるし、どうしたものかと考えている間に試合は始まって、面接官はこん棒構えて突っ込んでくる。
「勝負だ!」
俺はとりあえず素人腰で剣を構えるのであった。
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