水天彷彿

掌にとろり 

 とろみある金色を お裾分けしたかった


透明な白身しろみに 顔面がめりこんで

ぼくは窒息し

産み落とされて 君も

生まれて 慈しまれた


 一緒に生きている

感覚は錯覚だった 君どころか誰も 動物すらいない


確かにいない


どこの地平線と水平線にも 寄る辺なし

 知っているのはそれだけだ


 銀色を ぼくは貰った

 与えられたのです 君がそう言うから

信じてしまいそう もう楔となって ぼくのよすが

逃げたいのに 縛られたい


 不自由だから 一緒に生きていると思ったのに

錯覚だった 酷い人生だ


どこの果てでも 金銀きらきら 輝ききらめき

 水平線がけあう

とろとろ まどろみ 金銀きらきら

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る