小学生の記憶

弟が病弱だった事もあり母も2人でどこかに行ったり、何かをしたり‥そんな記憶はどんなに頑張って思い出そうとしてもまず無理で。

小学生記憶と言えば‥

仲良かった女の子2人と一緒に習字に通ったり習い事は行ってた事。夏休みにはその子のお家へお泊まりしたこと。でも、お泊まりや遊びに行くと「ほかのお家は話を聞いてもらえる、構ってもらえるんだーっ」って楽しかった反面辛くもあった。駄菓子屋さんはな行きたくても「わざわざお金使わないという遊べないの?」「そんな友達いらないでしょう」と言われ、たった100円。せめて50円でも良いから「行ってらっしゃい。気をつけてね」と見送って貰いたかっただけだったのにそれも叶わず。

弟が体調を崩せば私は何処にも行けず、見兼ねた伯母さんが動物園や公園、映画、電車や車に乗せて遊びに連れてってくれていた。でも、お土産を渡せば「無駄なものを買って」「弟は行けないんだから」と言われ。


幼い日の私は、母に気に入られようと言付けを守り、嘘を吐きながら自分を守っていた。

そんな嘘を吐く私が気にくわない母は。

「あんたは川で拾ってきたんだ」

「言うこと聞かないなら施設へ入れるよ」

「なんであんたはお母さんを困らせるの」

「そんなに困らせて楽しい?」

「話しかけないで」

「あんたは本当に自分勝手だ」

私の小さな心はどんどんどんどん小さなトゲが刺さっていっていた。それでもそのトゲに気付かないように明るく振舞っていた私は、周りからみたら‥

料理が上手で、明るくて楽しいお母さんで優しくて羨ましい。そう言われ続けていたから私がただ単に出来損ないで、親の言うことも聞けずダメで恥ずかしいんだって思っていた。思っていたからこそ、声を大きくして「皆んなが思ってるような母じゃない」って言えなかったんだ。


私は母の事を「ママ」って呼んでいた。でも「ママ」は振り向いてくれず「ねぇねぇ」そう呼びかけると返事をくれた。でも、母は「ねぇねぇ」そう呼びかけられるのに嫌気をさしたのか私の頬を皆んながいる前で思い切り抓り「ねぇねぇ誰に向かって呼んでるんだよ」と怒った。痛かったなぁ頬っぺた。皆んなが見ている前でそんは事をされて恥ずかしくて物凄い痛いはずなのに泣かなかった。もう消えたいなって思った。そんな6年間を過ごした小学生。心に刺さったトゲは抜けることもなく、根を張り、もう2度と抜けることはないんだろうな後は、大きなお花でも咲かせてすれるのかな。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る