第60話 タイムトラベル考察

 地球って丸いじゃないですか。


 ええ、我々はよくわからん球体の上に乗っかって、ぐるぐると回り続けているんですよ、駒みたいに一日一回自転しながら、太陽の周りを一年かけて公転してます。


 さらにですよ。地球の所属する太陽系は、大きな大きな銀河の端っこに属しているそうじゃありませんか。端っこにいるからこそ、こう、円盤型の銀河の多くの星が寄せ集まって見えるのが天の河というわけですよ。


 この銀河がね、ゆっくりと回っているらしいんですよ。ドラえもんとか火の鳥とかでイラストをご覧になったことがある方はご存じだと思いますけれど、なんかしゅんしゅんと回っているような形してますよね、銀河系。



 これらをかんがみるとですね。



 地球にいるおれたちは、とりあえず一日一回まわりながら、太陽の周りを一日かけて少し進み、ついでとばかりに銀河系としてもほんの少し移動していることになる。


 つまりですよ。


 今、この瞬間我々がいる場所には、宇宙全体で考える位置情報で考えると、二度と同じ場所にはいられないということですよ!!!


 我々は今この瞬間も、もんのすごいスピードで移動し続けているわけです!!!





 とんでもねえことに気付いてしまった。


 これはあらゆるタイムトラベルものの根本的な問題にさしさわる事項ですよ。



 未来だろうが過去だろうが、もしもそれが「ワープ的」なものによる「時間移動」だとしたら、位置情報は加味されないんだから、たとえば一週間前の自宅にタイムトラベルしようとしたところで、宇宙空間に放り出される可能性があります!!





 なんてこったい!!!





 いやいや、もしもタイムトラベルが可能な高度な未来世界なら、地球の自転公転銀河系の動き全部計算してくれるAIなんてのも在って不思議じゃありませんから、なんとかなるかもしれない。


 でもXメンみたいなミュータントの場合は科学の力使えないから無理だよね?


 特殊能力系の時間操作って無理くない??


 え、どうしよう???!




 あ、もしかすると「ワープ」だからダメなのかもしれない。


 たとえば瞬間移動だって、悟空みたいにいきなりシュッとテレポートしたら、壁と融合しちゃってお亡くなりあそばされたりハエと合体してハエ男になる可能性が出てくるけれど、歩いたり走ったり車に乗ったり新幹線に乗ればその危険性からは一旦逃れられる。


 つまりタイムトラベルを「ワープ」ではなく「伝いながら」行えば……他の人からすれば一瞬で消えたように見えるかもしれないけど、本人からするとその地点でずっとしがみつきながら時間だけ高速で移動すれば……!(『タイムマシン』の映画版はこれだったな! あの映像すごかった!)







 などと熱く語っていたら、シェフに「ごめんなに言ってんのかわかんない」って言われちゃった。



 もう!


 大事なことなんだからちゃんと考えてくれたっていいでしょうに!!




 ま、いいや。

 さて、シェフに借りた進撃の巨人の最新刊でも読もうっと。

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