第54話 SFとファンタジー

 私思うんです。

 SFって未来的な脳みそが必要だけど、ファンタジーって過去的な脳みそが必要じゃありません??



 つまりですね。


 SFは科学技術へのあこがれであり不安のお話。まあ、未来予想図ですね。


 対するファンタジーってのは民話や神話だと思うんです。神様とか妖精とか妖怪とか。昔の人が語りつないできた物語そのもの。つまり、過去。




 去年SFの読書会に行ったんです。そこで大のSFオタクに出会えたので、面白がってあれこれ質問攻めにしました。


 彼が言うにはですね、SFというのは大きく分けて二種類あるそうです。



 ひとつは、理系SF。

 もうひとつは、文系SF。



 理系SFは、ごりごりと科学技術やメカの説明をする、おもっくそ科学オタクな小説のこと。「オデッセイ」の原作の「火星の人」ってこれなんじゃないかな? ユーモアでごまかしてたけど三分の一くらい意味わかんなかったし。


 文学SFは、「認知の話」だそうです。

 宇宙人でもアンドロイドでもいいので、とにかく「わかりあえない文化圏の人と邂逅する」お話。コミュニケーションをとり、誤解し、最終的にはわかりあえたようなわかりあえないような。映画「メッセージ」とか、まんまこれですね。



 認知の話は、「どっちが正しい」とか「どっちが低俗だ」という「価値の決めつけはしない」というのが、正しいSFの在り方であるそうです。


 これ、なんだか合理的で心理学や脳科学にも通じる考えで好き。



 SFは価値を決めない。

 ニュートラル。


 ただ、ちがう文化圏のもの同士が邂逅して、ドラマが起きる。




 わああ。



 ファンタジーは神話や民話なので、どうしてもニュートラルではいられない。


「善と悪」

「見るなと言われたら見るな」

「悪いやつには罰が当たる」


 こういうのがファンタジーだとしたら、SFは「この人とこの人はわかりあえない。悲しいね。でも、これが現実だね」と語りかける。




 好き!!!




 でも、個人的には逆をいくパターンも好き。


 きっと過去のSFを描くのがスチームパンクだ。

 じゃあ、未来世界のファンタジーは??




 私がジャンル作ったろうかしら。


 へへへ。

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