第52話 日本人作家を読まなかったツケ
物語の構想は出来つつあるけどイントロが難しい問題。
もともと翻訳ものの文学で育った私。
あれらって、日本人のと比べるといくつか違いが顕著なんですよねー。
たとえば、改行が少ない。
友達の書いた児童文学読んだときびっくらしましたわ。「え? これ、詩?」ってくらい改行多いんだもの。小学生のとき、作文の授業で先生に「文章ごとに改行しちゃダメよ!」って教わったんだけど、あれって幻だったのかな?
もひとつ、論理性の欠如。
人から勧められないとあんまり日本人作家の本を読まないんだけど、ちょっと長めのファンタジー軍記ものを読んだんです。
「なんでこいつがこう動くわけ?」
「なんで生まれたときから軍国主義の国家に住んでるくせに、戦争反対派なの?? それって日本人の価値観であってこの人らの価値観になりようがなくない??」
とにかくこういうのが多くて集中できない。ファンタジーなのに日本人の価値観がちらつくとだめ。自分では平気でやらかしちゃうのにね。仕方ないね自分の作品には客観的になれないものね。
そして、イントロです。
物語の入り方です。
海外文学って、わりと世界観や主人公の説明から入る。でも、どうやら日本の文学はちがうと気づいた。
海外YAは、一人称がとても多い。彼らはだいたいにおいて愚痴から入る。
こういうときって、あたしはこう思うんだよね。でも○○(人の名前。のちに友人か家族であることが判明する)はこう言うわけ。マジ信じらんない。ま、みんなそうでしょ?
こんな感じで延々すすみ、やっと物語が動き出す。あるいは世界の説明が地の文で3、4ページあって、そっから物語。
しかしそれじゃ日本人には読んでもらえないらしいのよ。
こないだ参加した合評会で、わりと信用を置いている人にこんなこと言われた。
「みりあむさんの作品は読み出したら止まらないけど、はじめが取っつきにくい」
つまりイントロがダメってこと!!!
1話が良くないとダメだなんてWeb小説だけだろ、なんて軽く見てたけどどうやらそうでもないっぽい。こりゃがんばって取っつきやすすぎるくらいの取っつきやすさ目指さないとあかんよね。私がんばるよ。
とりあえず今、構想は出来つつある小説の、イントロを5つ書いた。登場人物5人いるから、誰から始まってもいいように。
でも、気づくと全員、説明から入っちまっている。
ガッデム!!
しばし格闘いたします。
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