第49話 吸血鬼に続け!
吸血鬼について、どんなイメージがありますでしょうか?
血を吸う妖しき妖怪。
身分が高そうな風体で美形。
吸血鬼からエロスを取ったら何が残るの?
いろいろな文学作品や映画、アニメなどによって、美しくも妖しい吸血鬼のイメージは固定化されておりますです。
されておるのですが!!
昔はちがったんですよ!!
墓場をうろつく吸血鬼は、死人が棺からよみがえり、悪さをする存在。駆除するために、昔の人はいろいろ考えました。
太陽に弱い、悪魔の手先だから十字架や聖水に弱い、心臓を杭でつかれると死ぬ、流れのある水をまたげない、呼ばれないと人の家に入れない。
中でも秀逸なのがこれ。
墓場にけしの実をばらまいておく。
え、なに?
と思われるかもしれない。
棺から出てきた吸血鬼は、けしの実を見つけるとどうしても数えたくなるらしい。で、数えるんだけど、小さいから途中で「あれ? これ数えたっけ? あれ?」となって、また最初から数える。それを繰り返していると夜が明けて日の光に当てられてハイさよならー。
吸血鬼って、もともと雑魚キャラだったんです。
日本における山姥的な。
小豆洗い的な。
なんか人を喰うらしいけどわりと対処可能だよね的な。
そんな吸血鬼が、こんなに人々に愛されるイメージにまで膨らんじゃった。
犯人は小説です。
ペンの力ってすごいね。
私にもひとつ、イメージを変えたいものがある。
そう天狗さんだよ!!!
「天狗の研究」っていう本に、江戸時代の剣客が天狗さらいにあって、随筆家にインタビューに答えまくったエピソードが紹介されている。
その天狗観が、めちゃくちゃいいんですよー!!!
見た目は人と変わらず、平和で、女に興味なくて、五穀を食わず、神道かぶれ。
すげえロマンにみちあふれている…。
顔の赤い天狗はいらない。
吸血鬼に続くんだ!
イメージを粉砕しろ!!!
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