第45話 素晴しき哉トリックスタア

 トリックスターをご存知だろうか。


 神話や物語において、秩序を破り、物語を展開するキーパーソン。


 往々にしていたずら好きで、敵か味方かわからない。なぜなら彼らは、善と悪、破壊と生産、愚者と賢者の二面性を併せ持っているから――(ウィキ先生ありがとう)





 私は本当に、トリックスタアが大好きなんでございます。



 例を挙げるならばまず北欧神話のロキ。

 シェイクスピア『真夏の夜の夢』の妖精パック。

 ディズニーアニメ『モアナと伝説の海』のマウイ。




 トリックスター的な性格要素を持ったキャラクターが、とにかく好き。


 いつもにこにこして平気でうそついて、でもどっか憎めない。社会のルールとかあんま気にしないから他人をイラつかせることもしばしば。基本的に自分のやりたいことがなにより最優先、気の向くままに生きている。


 なんつーか、その生き様がいい。

 自由そのもの。

 人生を謳歌している。

 それが悪であったとしても。



 大昔の神話を作ったころから、人間ってのはかちこちに定められたルールや空気をぶち破るアンチヒーローにあこがれていたにちがいない。


 だからこそトリックスターは世界中の神話や物語で散見される。

 日本ならスサノオ、中国ならば孫悟空がトリックスターだ。



 でも、トリックスターにはだいたいにおいて、別の共通点がある。


 笑えないくらい凄惨な過去を持っているか、普通に現状が哀れなのだ。

 それを笑い飛ばして生きている姿が、またじんとくるんである。


 可哀想な奴がふせってるより、可哀想なのに歯を食いしばって笑ってる奴のほうが、絶対応援したくなるじゃんね。親近感あるよね。


 そんな感じよ。




 私がいちばんはじめにしびれたトリックスターはだれだろう? と考えて、ああ、と思った。児童文学の『バーティミアス』シリーズだ。



 バーティは間違いなくトリックスター。人間も悪魔仲間もイライラさせて、周りをおちょくりながらも(能力的には中級であるにもかかわらず)最終的にはうまくいく。その減らず口と機転が大好き。イギリス人のブラックユーモアを堪能したい方には絶対おすすめ。



 でも、バーティミアスはちょっと子ども向けの感がぬぐえない。

 トリックスターは大人こそ楽しむべき存在なのでこれはもったいない。

 大人向けバーティミアスはだれかって?





 デッドプールです。





 映画を観てください。

 最高。




 という、6月公開の『デッドプール2』が待ちきれない奴によるレビューでした。



 アベンジャーズのロキも好きだよ!

 でも公式(北欧神話)のロキのほうが最高にアダルティかな!

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