第43話 謙遜は美徳とかくそくらえって話ですよ!
ピクシブって知ってますか?
オタクご用達のイラスト投稿サイトです。
もう十年近くお世話になっております。もともと人の描く絵を近くでながめているのが好きな性分。存在を知ったときはめちゃ喜びましたね。「アマチュアの描いた絵、見放題じゃん!!」って。
カクヨムもそんな感じかと思ったんですが、ちょっとちがいました。
そもそもピクシブでは二次創作が多いっていうのも理由なんでしょうけど(私はそこでオリジナル漫画を量産し続けるマイナー層)基本あちらの人たちは「描くの楽しい! いえーい!」っていう、自己満足がばっと目につく。
で、カクヨムの人たちって……。
なんか、なんだ?
自己評価落としすぎじゃない?
低いんじゃない、落としている。
いや、わかるよ。
ちょっとしたことで炎上しちゃうSNS社会だもの。日本において謙遜は美徳だし、相手の作品を読んだとき、思ったことの「褒めるべき点」だけ述べて、「よくなかったところ」は口をつぐんでおけば、めんどうくさい人にからまれずにすむでしょう。
でもさ。
なんかわかんねえのよ。
自分のことを「駄作者」とか「底辺もの書き」と自称する人びと。
自分の書いた小説を、「拙作」と言う人びと。
なんでさ!
なんで自分を低く見積もるの!!
なんで堂々としないの!!!!
下手でもいいじゃん、好きならいいじゃん。
書いてて楽しい、が気軽に投稿できるサイトの、いちばんいいとこでしょ?
なんか言われても別にいいじゃん、むしろへんなとこ指摘されたほうが、自分は成長する余地がある! って思えて楽しくない? 褒められすぎると「こいつ、ほめ殺ししてライバル停滞させるつもりだな?!」とか思っちゃうんですけど??!
「辛口評価」を「人格否定」とイコールで結びつけるような阿呆の意見は放っときゃいい。あのピクサー社では社員みんなでストーリーを考えるんだけど、「意見に反論してもいいけど、人格否定はダメ、あと人格否定されたと思っちゃダメ」っていうルールが徹底されている。
これほんとそうよ!
作品のことを愛し、だれよりも登場人物たちに愛を注いでいるのはほかでもない作者だ。だからいやなこと言われたらへこんじゃう。だから他人のへこむようなことも言わないでおきたい。それはわかる。
でもさ、だからこそ、書いた作品を「拙作」だなんて、他人を意識した言葉で傷つけないでほしいのさ。だれよりも愛しているその作品を書いた、自分自身を愛せよって思うのさ。
……だって、好きな小説や漫画の原作者のこと、好きでしょう?
憧れるでしょう?
だったら自分自身にも、その感覚を向けていいんじゃない?
私は自分の書いた小説を読むのが楽しくて仕方ない。ときどき「え、こんなこと書いたの? やばい……私、天才では……?」って思う。まじで。
私が自画自賛して、それを見て他人がもやっとするかもしれないからって、私は自分を褒め続けることをやめるつもりはない。逆にどうしようもなく自分が嫌いで死にたくなる夜もあるんだ。好きに褒めさせてくれって思う。
私は少なくとも、毎回本気で小説を書いている。
自分が読みたいから書いている。
だから自分の作品を「拙作」なんて言葉で貶めたくない。
日本に来たばかりの頃、ママは思ったそうだ。「つまらないものですが」って言うんなら、そんなもん人にくれるなよ、って。だから私は「拙作ですが」とことわって、だれかに読んでもらいたくなんぞないのだ。
私の書く小説は毎回最高に面白い。
つまんないって言われたら、ああ、そうなの、って思う。あんたには合わなかったのね。でも次は面白いって言わせてやるから首洗って待っとけや。
思うけど、言わないでおく。
謙遜は日本の美徳だものね!
そのへんの空気は読めますよ、なんとかね。
へへん!
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