第28話 SF
決めた。
おれSFおたくになる。
もう決めたんである。今年から三年間(具体的な数値目標は大事)SFにどっぷりつかる。ファンタジー読んでも「これはまだ人類が理解できないだけで高度に発達した科学技術の結果なのでは……?」と考えることにする。動物がしゃべりだしても科学の力。死んだ人がささやいてきても科学の力。あいつとおれが入れ替わってても科学の力。例のあの人がハリーの命を狙っていても科学の力。
しかしそんなふうに作者の意図を組み替えても仕方ないので、素直にSFものばっかり読もうと考えている。実は海外翻訳ものばかり馬鹿みたいに読むくせにSFはあまり読んでこなかった。素晴らしきタイトルにあふれているというのに、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』も、『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』も、『たったひとつの冴えたやり方』も、『月は無慈悲な夜の女王』も、『あなたの人生の物語』も未読。『ブレードランナー』と『メッセージ』は映画で見たけど、でもやっぱり原作で科学考証的な解説読みたいなあ。
というわけでこのあいだ、近所のブックセンターいとうが閉店セールをやっていたので買ってきたのである。士郎正宗氏の『攻殻機動隊』を!
昔、腐女子な友達に勧められてアニメ版は見たが、原作を読んでみてびっくり。なんて漫画だ! ものすごく頭を使う。専門用語が難しいという話ではない。「これくらい描いとけばわかるでしょ?」とばかりに読者に任せる。具体的にはひと言も書かれない。ただ、状況証拠と目線で分かる。つまり、ちゃんと絵で描かれている。気を抜いているとチンプンカンプンだ。すげー。読み落とさないようにするのが精一杯で、十ページ読むのに一日かかる。SFなめてたぜ……もちろんエロもあります。
SFオタクにおれはなる!
とりあえず三年! 三年間は本でも漫画でも映画でもSF要素仕入れまくるぞ!
と、豪語したらシェフに「じゃあスターウォーズも見ろよ」と釘を刺された。
ええ……。ちょっと自信なくしてきた……。
アベンジャーズじゃだめ?
ま、出来る範囲で、がんばりまっす。
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