第23話 ハーレムもの

 久々にアニメを見ている。

 人からすすめられ「亜人ちゃんは語りたい!」を少々。なんでもLGBTについて描かれた内容だというのだ。ふむふむ、私も一応LGBTのBの人なんだから、ちょっとのぞいておこうじゃないの、という軽い気持ちである。


 まあ、たしかにマイノリティを描いた内容だね。ただ、ハーレムものとは聞いてないぞ。


 少女漫画で育ったからか、ハーレムものってなんだか受け付けない。いや、少女漫画にも「逆ハーレム」は存在する。だけどあれも苦手なのだ。なぜならハーレムって、つまり「あぶれる人」がかならず出てきてしまうじゃありませんか! なにそれかわいそう!


 苦労人を描いた話は大好物だが、それをほのぼのした日常で描かれると「こいつらこんなに仲良しなのに、読者の目の届かないところで泥沼展開が……!」とひやひやしてしまうんである。もうね、精神衛生上よくない。なんで私がファンタジーばっかり読むか知ってる? 現実逃避するためですよ! 現実つきつけないで!


 少女漫画はいい。メインの三角関係にも、きちんとあぶれた人間には代わりが用意されて終わるのだ(独り身のまま終わることもあるが、あぶれたやつはたいていモテるので大丈夫)。そしてモテないサブキャラたちもだいたいカップリングが成功する。つーかサブキャラのほうが誰と誰がくっつくか最後までわからないので目が離せない。おまえは結局どっちにつくんだ? ええ? そこで新キャラ? みたいな。


 ハーレムものは「なんでこいつがみんなに好かれてんだ……?」というリアリティの欠ける展開が気に食わない。ごめんなさい。現実逃避はするけど動機づけにはリアルを求めるんです。


 みんな幸せになってほしい。

 現実は世知辛い。せめて物語の中では夢を見たいんです。

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