第21話 よくなってはいるけれど

 昔の話を書き直している。


 こんなに下手な作品なのに、昔の自分はどんなにボロクソな批評にもめげることなく「えー? でもこれ最高に面白くない?」なんて思っていた。


 でも、すげー下手だ。何度も言うけど。

 悲しくなってくるくらい、人の作品にも感じる「下手さ」があらゆる部分に宿っている。ただ、セリフだけはなかなかすじがいい。昔からセリフだけは褒められ、「漫画原作のほうが向いてるんじゃ?」なんて不本意なことを言われ続けただけある。


 いや、絵はね。好きなんですけど、あれ効率悪いじゃないですか。

 たとえば、キャラが会話するシーンを書くのに、文章なら一時間くらいあればおおざっぱながらも完成する。だけど漫画って、ちゃんと下書きしてペン入れして消しゴムかけてベタ塗って、って一日はかかる。やだよめんどくさい。


 昔の作品を書き直すにあたって、はじめから打ち直す。こうすると、ちがうエピソードを入れたり、細かい文章表現を書き直しやすい。気に入らない部分は思いきってすっ飛ばせるし。


 しかし作業がマンネリ化してくるとただ「打ち直す行為」に成り下がり、書き直しの意味がなくなっていく。つい今しがたの私がそれだ。書くのに疲れたので、「気分転換にエッセイでも書くか」と、カクヨムに接続した。


 なんだか本末転倒ね。


 ま、いっか。

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