第14話 ぬれぎぬです!

 まだミクシィが大多数の指示をうけていたころ、姉とおなじコミュニティに入っていた。その名も「ウエンツありがとう!」。


 英語がしゃべれないハーフのためのコミュニティである。


 実は彼のことはファンでもなんでもないのだが、たしかにそのころから「ハーフなの? 英語しゃべれるんだ!」という無邪気な問いかけに「いや、日本語しか話せません」と正直に答えても「ウエンツと一緒だね!」ですむようになったのだ。


 ウエンツ君、ありがとう。だいぶ生きやすくなったよ。


 幼なじみに「ハーフで得しないの?」と訊かれたとき、「まつげ」とお答えした。ママの遺伝でビューラー使わずくるっくるなのである。中学時代、先生から「やりすぎ!」と怒られた思い出のまつげなんです。先生、私なにもやってません。


 ちなみに姉は思いっきり外国人顔なのに英語のテストで8点とったことがある。

 人を見かけで判断しちゃいけないんだね。


 ハーフで得したことはあんまない。

 ときどき鏡を見て「うわっ。まつげくるくるしてる!」と気づくくらいである。

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