第24話 脛蹴りって攻撃方法ダサくない?




週末、シスナ、リジェット、ケイシュウの3人は

海辺のレストランで食事をとっていた。

夕刻の夜と昼の混じった空、寝床を探す海鳥、ランプの夜景は美しい。





数週間に一度のペースで

リジェットさんは俺らを連れていく。

3人で会っている所を見られていいかはともかく

桜花国語を話せる人物と食事をすること自体、

ケイシュウとしては、落ち着く気がした。



「・・・」

「・・・」




黙りこくる2人、毎度のことだが会話はあまり弾まない。




流石に少し息苦しくなったのか

シスナが口を開く。




「前から思ってたんだけどさ・・・脛を蹴るって攻撃方法・・・・ダサいよね」




「・・・」

「・・・」




「ダサくねーよ、人の唯一の攻撃方法馬鹿にすんのやめろ」



まぁカッコいいとは思わないが、

これでも、ここまで連れ添った相棒みたいな武術に

愛着がないわけでもない。




「そうですよ、シスナ・・・ケイシュウはカッコいいです。あなたも一度戦場でのケイシュウの姿を見た方がいい」




爆炎と土煙の舞い上がる戦場

そこに走る黒い稲妻のような影


次々と敵の攻撃を躱して脛を蹴り飛ばしていくケイシュウ


膝をつく敵兵士


そして、ケイシュウのいつものキメ台詞




『俺の前で頭が高いぞ』




うっとりと語るリジェットさん


「・・・」

「・・・」




(いや、そんなセリフ吐いた覚えは、全くないんだが)


シスナは呆れた顔で一言発する。



「引くわ」



そんな感じで過ぎていく

謳州の週末




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