第23話 移動スキルと飛空艇




飛空艇のある世界観





御土流を習って、

良かったことなんてそんなにないが

唯一気に入っているのは『射土いづち』だろうか



射土いづち』とは文字通り矢を射る速度で動く御土流の基本技だ。



強く地面を蹴って瞬間的に30m程度すっ飛ばして移動する。

風を切るのはいい気分だし、何より便利だ。


今日も寝坊をしたけれど、

この技のおかげで学術機関の授業の遅刻を免れた。

リジェットさんには内緒だが、




師匠「移動スキルは便利だろう、これなら、不便なマップ移動もノンストレスだ」




・・・!?




ああ、師匠の使う横文字の意味がわからない。

これもすべて新しい飲み友達が原因らしい・・・

名前は『リジェなんとか』さんとかいう謳州人だったっけ・・・

元敵国の人と気軽に飲み友達になる変わり者は師匠ぐらいだろうな





$$$






『射土』の説明ついでに

移動と言えば、あれの話もするか



謳州の魔術で開発された新技術の中に『飛空艇』というモノがある。

今まで船舶でしか往来できなかったこの東の国での短期の往来を可能にした。


アレは空にぷかぷかと浮かんでいる。

浮かぶ不思議気体を袋に詰めて、魔術動力炉の噴射で進むらしい。




桜花国から謳州に来る時はそれはそれは恐怖に駆られて

直前まで搭乗を拒否していたぐらいだった。




ケイシュウ「こんな恐ろしい物に乗るぐらいなら、射土いづちで大陸横断します」

リジェット「いやいや、それは流石に無理ですから」




乗って見たら案外快適で、遠くに見える景色も良くて・・・

まぁ恥ずかしい話だったな




今の謳州はその『飛空艇』が毎日毎日何隻も行き来している。

はは、全く面妖な景色だと最初に来たときは思った。




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