第18話 誇りを取り戻したくはないか? 




『敗け』の記憶は心に深く刻まれる。





ケイシュウは考える。

戦争末期、非正規の少年兵だった。

たくさん死んでいく、先輩たち・・・

そして、どれだけ旗色が悪くなろうが、最後まで桜花国が勝つことを信じて疑わず、ついには自分の身を投げ出して死んだ上官・・・



勝ちも敗けも、殺すべき敵も・・・

『すべては意味なんてない』そう思えた。

それが、ケイシュウ=ミヅチという人間が感じた過去の経験からの教訓であった。





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ミシェル=ヘルドールの父は厳格で厳しい。


桜花国の転入生に決闘で敗けたという事実は、

彼を激昂させるには十分だったらしい。



「何をやったか分かっているのか!お前は、国王より鍵の管理を任される我がヘルドール家の威信に泥を塗ったんだぞ」



父親に殴られる。

執事が止めに入るがそれでも彼の怒りは収まらず、

何度も何度もミシェルを蹴りつける。




顔が腫れている。

明日には、腫れはどんどん増すだろうな・・・




「お兄様・・・その怪我はどうなされたのですか!!」




運悪く妹のメアリにその姿を見られてしまった。

俺の天使に こんなゴタゴタは かかわらせたくない・・・




「・・・」



ポンと手を頭に置く。



「心配するな、なんてことはない、ほら早く寝ないと寝坊しちゃうぞ」




・・・

・・・・



翌日、学術機関

取り巻きは、俺から距離を取る。

父親から何か言われたのか?まぁいい




たった一人、屋敷へ帰る・・・





人気のない道で、怪しい仮面の男がどこからともなく現れた。




『誇りを・・・取り戻したくはないですか?』




仮面の男はにたりと笑う。





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