第14話 銃弾なんて怖くない




銃弾・・・





魔術式の一種、

高速で射出される弾丸はは簡単に敵の頭を吹き飛ばす。


魔術の概念の薄かった、桜花の戦場など燦燦たるものだった。


まだ、その匂いは鼻にこびりついて離れない。




桜花国、占領下時には

謳州の兵士が我が物顔で闊歩していた。

背には銃を抱えている。



「御土流は最強とか言っても、あの近代兵器にはどうやっても勝てないだろうな」




師匠「え?なんで」





は?






銃:『構える』⇒『狙いをつける』⇒『引き金を引く』 3ターン

脛蹴り:『脛を蹴る』 1ターン



「ほら勝った」



「・・・」

なんでいきなり『ターン制バトル』になってるんだよ。

色々大事な要素が抜けてんだろうが





$$$






曇り空だった・・・

ここんとこスッキリしない天気が続くな・・・

ケイシュウは駅のベンチに座っていた。



今日の任務は要人警護だ。

10:00に発車するこの列車に乗る大物議員の護衛・・・


「ああ、たるいな」



シスナ「はぁ・・・あんたの陰鬱な顔見てるとこっちまで滅入ってくるよ」



今回も同じ任務を言い渡されたシスナはひとしきり毒を吐いた後

どこかへ行ってしまった。

列車や駅が珍しいのだろう、全くお子ちゃまだ。




今回の護衛対象:連合国議員バルロス=ハカロフ

戦争推進派閥のひとり、特に植民地域の徴兵政策の推進を訴えるタカ派

・・・俺ら からしたら、死んだ方がいいんじゃね って思える人物だな


「全くもって、むなしい限りだ」



「ふふ、これから未来を創っていこうという若者が、そんな眼をしているのは・・・いささか感心しませんな」



老人の声が聞こえる。

後ろのベンチに腰かけていたようだ。




「たとえ小さな行為であっても、それは『未来へのいしずえ』となる・・・たとえ死んでしまったとしても・・・ね」



「・・・」

あれ、俺怒られてる?




「いやいや、年を取ると説教臭くなってしまっていけませんな」

老人は そそくさ と 去って行ってしまった。




うまく聞き取れた自信はないが『いしずえ』という単語だけが

頭に残った・・・







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