第15話 銃弾なんて怖くない その2
初老の殺し屋、ヘクトル=マデウ
この歳になってまで、
殺し屋などという職に手を染めている自分は滑稽でしかない。
一般的に、短筒は魔術制御が難しく、実用不可能とされている。
だからこそ、隠し持って、不意を突き、これまで多くの命を奪ってこれた。
これが長年連れ添った私の獲物だ。
『人の命を奪うことに罪悪感を覚えないか』
罪悪感は当然ある。
いや、あったという方が正しいか・・・
年月が経つとともに、その感覚は、ほとんどなくなってしまった。
だが、ただひとつ、こう 思うようにしている。
『彼らは歴史の
今までたくさんの死を見てきた、自分の手で下してきた。
それは後世の輝かしい未来のため。
今現在自分が立っているこの場所は、たくさんの死体の上なのだ・・・と
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蒸気機関車は、けたたましい音を立てて渓谷を走り抜けていく。
現在時刻18:00
もう辺りは真っ暗だ。
単身、荷物に紛れて潜入していたヘクトルはゆっくりと辺りの様子をうかがう。
誰もいないことを確認して、服を着替える。
傍目にはただの旅の老人だ。
仲間の連絡によると
専用車両に乗り込んだのはターゲットを含めて5名
魔術式の探知に引っかかった人物は3名らしい。
1名:ターゲット
3名:護衛
残り1名:???
おそらくは議員の縁者か連れ添いでしょうか。
なるべく不確定要素を取り除きたいですが
ここまで手薄な この好機を 逃す手はない。
ん?
誰か、単身、こちらに向かってくる。
魔術探知に引っかからない・・・
ターゲット?
ヘクトルは覚悟を決めて、
ターゲットのいる車両のレバーに手をかける。
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ケイシュウは列車の廊下を歩く。
(乗り物というモノは、何回乗っても慣れないな、というか酔う)
そういえば・・・
銃弾の対処の仕方
俺はあの時、師匠に反論した。
銃:『構える』⇒『狙いをつける』⇒『引き金を引く』 3ターン
なのなら、「最初から構えていて、引き金に手をかけていたらどうするのか?」と
ケイシュウ「しかも
師匠「ふむ・・・そうだな・・・」
廊下の先、
老人が躍り出る。
手に
次の瞬間、老人の手から銃が消える。
「・・・へ」
ガシャン!
天井から金属の衝突音が鳴る。
(私の銃?・・・蹴り飛ばされた?)
老人は迷わず、
(・・・遅い 3ターンだ)
ケイシュウは老人の脛を蹴り飛ばした。
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次の日、夜明け、
目的地に列車は到着した。
シスナが不機嫌そうに叫ぶ。
「あんた 暗殺者 取り逃がしたんだって、もう何やってんのさ!!」
「・・・すまん」
普通なら痛みで動けなくなるか、それでも戦おうとする者が多いんだが
今回は帝国の中でも有名な暗殺者が来る可能性があったらしく、
名を上げることに必死なシスナとしては何としても捕えたかったらしい。
シスナ「じゃあ、その場で列車を飛び降りて、そいつを追えば良かったでしょう」
いや、列車から飛び降りろと?
体バラバラになっちゃうだろうが
シスナ「・・・あんたなら、大丈夫(多分)」
無責任に言うな
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