第11話 道行く脛を眺めてみれば・・・




パーティー会場





シスナ、リジェットさんと別れて

俺は待機を命じられた。

任務の概要とか詳しい情報は俺にあんまり入ってこない。



暇だ・・・



ふと昔のことを思い出す。

師匠と桜花国の街に行った時のことだった。

師匠は先頭を歩きながら語る。



「『脛に傷を持つ』という慣用句がある」



犯罪歴や暗い過去があるという意味であるが・・・

すなわち、脛を見れば『その人の人生までわかる』という意味に言い換えることが出来る。


・・・拡大解釈過ぎでは?




「これを応用すれば、相手の強さを測る ことも可能だ」




大通りで手持無沙汰に道行く人の脛を眺める。




「あいつの脛は強い」

「あれは強く見せているだけで大したことがない脛」

「おお、あいつはこれから強くなる脛をしている」


・・・全く違いがわからん。



おい、見ろあの娘

「!?」

めんこいなぁ

あの和服の脛チラが良いと思うんだが、どうだろう、ケイシュウ・・・



・・・脛チラってなんだよ、つーか途中から趣旨が変わってる気がする。




つまりだ。

脛を観察することでスパイを見つけることも可能かもしれない。





周りの観察に集中する。





・・

・・・

・・・・




く・・・

やっぱり・・・

ズボンの上からだとよくわからん

和服と違ってこっちはズボンが一般的だしな

(師匠ならそんなことお構いなしに色々読み取れるみたいだが)



ふと

ケイシュウの前を

長髪、銀髪の男が通り過ぎる。





ケイシュウ「・・・」





今の奴・・・

変な脛をしていた・・・

なんか・・・不吉な感じ




まぁいいか


素足を出している

女の人ならよくわかるんだが

お、あの人良い脛をしている。



(やっぱり、あいつ変態だな・・・)

シスナは遠くからケイシュウを見ていた。



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