第10話 ハリルカウロスの社交界




帝国と連合国・・・

現在の謳州、いや世界の情勢すら

その2大勢力のどちらかに所属すると言っても過言ではない。


国境を陸続きに挟む2国は静かに睨み合い、

世界の覇権を虎視眈々と狙う。





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タキシードに身を包んだ俺




「ほら、ケイシュウ、蝶ネクタイが曲がっていますよ」


「なんでこんな衣装を・・・」




そうこれは任務、

帝国のスパイを捕まえるための任務なので仕方ないのだ。

しかし、スパイもどうしてこんな場所を選ぶのか


天井の高い大きな部屋、煌びやかな衣装に身を包んだたくさんの人人人・・・


なるほど、木を隠すならなんとかって奴なのかな




ガードマンらしき、こっち側のプロも多そうだ。

チラチラ見える、魔術装備、物々しい・・・




国境を接した連合国と帝国

力関係の拮抗した状態

諸侯たちの動向ひとつで、世界情勢が大きく動きかねない。

そう思うと緊張する。

今現在はここが、最前線・・・





ふと・・・綺麗に着飾った女性がこちらにやってくる。




『まぁ、ハンサムなお兄さん、私と一緒に踊りませんか?』




「・・・シスナか」




「・・・」

ぴくりと眉が震える。しばしの沈黙ののち

女性は取り繕った表情を崩す。




「ちぇ・・・なんでわかったのさー」




彼女の名は『シスナ=ヒイラギ』

俺と同じ、特殊部隊として雇われた桜花国出身の娘だ。

ヒイラギ家は『忍び』の家系として有名で

変装、潜入、戦闘まで器用にこなす万能タイプである。



「あたしの変装下手だった?どこで分かったの」




スネだ」




は?




顔、髪の毛、上半身は上手く変装しているが、

脛の骨格までは変えられない

俺に下半身を見せるべきではなかったな・・・




「きもい」




ちょ、なんてこというんだよ


「流石にイケメンのケイシュウでも、今のはちょっと・・・」

・・・


まぁいい、今回は言い返すまい。





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