ひとひらの幸運

「今日の運勢最下位は射手座の方。でもめげないで。ラッキーカラーとラッキーアイテムは桜。お花見に行くなら今日しかない!」

 毎朝何となく見ているテレビの占いでも、悪いと言われればいい気分はしない。

 どうして今日に限ってと、恨めしい気持ちで家を出た。

 このあたりの地域は、例年始業式の頃には葉桜だ。通学路の桜も殆ど散っている。

 新しいクラスの発表があるのに運勢を上げようがない。


 せめて高校の最後で、あいつと同じクラスになりたかった。


 すっかり諦めた気分で校舎の横に張り出されたクラス分け表を見上げたら、肩を叩かれた。

「おはよ。今日から同じクラスだね」

 振り返った拍子に、頭に載っていたのか、桜の花弁が一片、降ってきた。


※お題「運勢」「なけなし」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援した人

応援すると応援コメントも書けます

300字くらいの掌編たち 永坂暖日 @nagasaka_danpi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

作者

永坂暖日 @nagasaka_danpi

趣味の物書き。異世界ファンタジーを中心に、現代物とかSFっぽいものも書いてます。本拠地は『夢想叙事』http://musojoji.flier.jp/もっと見る

近況ノート

もっと見る