通り雨
ルームメイトがそわそわしながら窓辺に近寄った。
通り雨のようだ。
雨がやむ瞬間を見逃さないよう、空を見つめている。
今日みたいな通り雨の後、私の部屋に転がり込んできた。
それは偶然で、どうしてそうなったのかは誰にもわからなかったけれど、帰れるようになるまでいてもいいよ、と私は言った。
夏のあの日から半年。
すぐに帰れるだろうと思っていたけれど、案外そうならなかった。
だけど、今日こそは帰れそうだ。雨が弱くなり、空が明るくなる。
ルームメイトは窓を開け放ち、一度私を見て、身を踊らせた。
窓から見える空は青く、大きな虹が架かる。
また来てもいいよと言おうとして、やめた。
狭い室内より広い空の方が、断然似合っている。
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