踊り場の人形
特別校舎の三階の踊り場に人形があって、それは呪われているという。
高校に入学してすぐの頃、クラスメイトに誘われて、放課後、件の踊り場に向かった。人形は意外にも等身大で、小学校低学年くらいの男の子だった。精巧な作りで、今にも動きそうなほど生々しい。天窓から差し込む夕日で真っ赤に染まった人形は禍々しくさえあって、わたしたちは逃げるようにその場を後にした。
その夜、小さな男の子を捕まえる夢を見た。家にはその子とそっくりの人形があって、中身が空っぽのそこに、息をしていない男の子を入れるのだ。
目が覚めたときはびっしょりと汗をかいていた。夢の中の男の子は、踊り場の人形と同じ顔をしていた。
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