比叡、出撃へその2

 4月15日午前10時43分、比叡(ひえい)アスカが向かう予定のコースにスタンバイしていたプレイヤーがいた。

カラーリングが金色というARアーマーは、本当に金で出来ていると思わせるような質感を持っている。

デザイン自体は1990年代アニメ等で使い古されているような物だが、完成度は汎用と比べると非常に細かいし、仕事も行き届いていた。

装飾が派手なだけでアーマーとしての機能は汎用に劣る物も一部存在するが、こちらには特に確認されていない。

それとは別にスタンバイをしていた人物は、黄金のアーマーとは対照的に銀色のアーマーを装備している。

デザインは2000年代のゲーム作品辺りを周到しているのだろうか?

プレイヤーのランクとしてはプレイ回数が50回に満たない程度ではあるものの、実力に関してはそこそこあるようだ。

「お互いにARゲームの経験者と聞くが――彼らが一連の事件に関係しているのか?」

 改造軍服タイプのインナースーツを着たまま、コーヒーを片手にファストフード店の窓から様子を見ていたのはビスマルクである。

【以前にも芸能事務所Bや芸能事務所Cが結託して特定コンテンツを潰そうと、フジョシ勢力を利用していた事件もあったが――】

【芸能人がARゲームをプレイする事は出来ないというガイドラインがあったような気もした】

【芸能事務所とマスコミが手を組み、芸能事務所Aのアイドルグループ以外を排除しようとする――某長時間生放送の番組が炎上した件も、芸能事務所Aのシナリオと言う話がある】

【だとすれば、芸能事務所Aがクールジャパンの本命で、超有名アイドルでありとあらゆる紛争をこの世からなくすとでもいうのか?】

【それこそ、Web小説でランキングを独占するようなチート無双や俺TUEEEE――悪役令嬢のテンプレじゃないのか?】

【別の小説サイトでは、フジョシ向けの二次創作夢小説が独占していると聞く。チート無双等は全く見ないな】

【こうした動きを感知し、芸能事務所Aは自分達に敵対するコンテンツを炎上させていき、自分達の領土を拡大させていき――この世界だけでなく、第四の壁の世界への進出も辞さない】

【まさに、正しい意味での害悪だろう。芸能事務所Aのチートとも言えるような無双展開は他のコンテンツ作品の進出を明らかに妨害している】

 ネット上のタイムラインをタブレット端末で閲覧しているが、これもアカシックレコードのコピペと言える物であり、自分達の言葉で話をしていない。

今回の彼女の目的、それは――芸能事務所Aの無双展開を手助けするアイドル投資家と言われる勢力を完全駆逐する事である。

しかし、それも芸能事務所Bや芸能事務所Cが望む展開だと考えると、他人に操られているようで乗り気がしない。

「自分の目的は――人から言われて指示されたものじゃない。他人が気にしていている一方で、動かなかったのはあるかもしれないが」

 しかし、ビスマルクは他人から操られて行動している事だけは否定する。

他人が行動を起こそうとしても、彼らは本格的に起こせなかった――と言う部分までは否定しきれない。

Web小説の作品でも、他人が既に開拓しているようなジャンルではなく新たなジャンルに挑戦しようと言う人物は多いのだが――実際は、そのジャンルも他人が開拓していたというパターンは多いだろう。

二次創作小説で流行りものに便乗し、大量にランキングを独占するような開き直ったパターンもあるが――。



 午前10時45分、アンテナショップで電子マネーのチャージを行い、何とかプレイには間に合った比叡(ひえい)アスカは――アーマーを装備したままでスタートラインまで走っていた。

ARアーマーを装着しても警察などに呼び止められる事がなかった事に対し、比叡は違和感を持ったのだが――それがARゲームで町おこしをしようと言う草加市の対応と言う事で、一応は納得する。

実際は草加市でもARゲームを悪用して犯罪に利用しようと言うのであれば――警察も容赦はしないのだが。

ARゲームに関係した取り締まりはARガーディアンが行っているのが正しいのかもしれない。桶は桶屋の理論である。

「比叡アスカ――そう言えば、別のリズムゲームでネームを見た事がある」

「彼女の実力は相当なものだ。段位認定等は受けていない事もあって、無冠の帝王と呼ばれているな」

「上位クラスの段位に縁がないのか?」

「それは無冠の帝王の誤用だ。彼女の場合は、本当に段位認定は受けていない。下手をすれば十段相当とまで言われている」

「十段? それこそありえないだろう。確かに彼女のプレイした譜面のスコアは初見フルコンボ――低レベル譜面に集中しているが、そこまでの実力とは思えない」

「リズムゲームは単純にゲーム中の段位やクラス、ランクという物差しだけで測れない物を持っている人物もいる――と言う事だ」

 ギャラリーからは比叡に関する話が出ているのだが、それを彼女は全く聞いていない。

ヘッドフォンの爆音で聞こえないというわけでなく、ARバイザーのノイズキャンセラーによる物である。

リズムゲームでは楽曲が聞こえにくい事でスコアが伸びないという話は、よくある話で――それはARリズムゲームでも事情は変わらない。

緊急車両のサイレン等の非常用、ある一定の環境音はノイズキャンセラーでもキャンセルしきれないと言うよりも、そこまでキャンセルすると危険だと言う話もある。

この辺りはARゲーム依存症やトランスのし過ぎによる体調不良等に発展するが、そこまでネット上で言及するような動きは見られない。

芸能事務所側も、これに言及すれば地雷を踏む事になると考えているのか――その辺りの詳細は不明だ。

しかし、近年はARゲームにも違法なギャンブル要素を加えて裏で展開されているという話もあり、ギャンブル依存症と言う点から、警察が警戒をしている噂もあった。



 午前10時47分、3人がスタートラインの所定配置に付く。

レースゲームと違って、ポールポジションを取ったとしても有利とは限らない。

だからと言って、自分に有利な楽曲で楽にクリアできる事もないだろう。リズムゲームには、楽をしてクリアすると言う攻略法が確立されていないのだ。

逆に慢心をする事で思わぬミスを発生させてしまうプレイヤーは非常に多い。それもリズムゲームの宿命だろう。

RPGのように攻略本片手でクリアできる程にARゲームは簡単なゲームではない。攻略法はウィキで記載されているジャンルもあれば、開拓されていないジャンルも存在する。

「楽曲的には――こんな感じか」

 ビスマルクはARガジェットで近場で観戦できるはずのレースを、ファストフード店で見ているのは理由があった。

彼女の目的は下手に周囲へ悟られてはいけないという点が存在する為――自分が姿を見せたことで、ネット炎上や風評被害と紐付けられるのを恐れた為である。

しかし、アイオワの時には姿を見せてしまったが――あの時はマッチング的な都合もあって、不可抗力とも言えなくもない。

稀に想定外の芸能事務所関係者、他ジャンルの襲撃者等もいるのだが、こればかりは予防線のはりようもなかった。

「レベル4、レベル6、レベル5――どういう順序で演奏するかで、展開も変わる可能性が高いのか」

 誰が選曲したのかは不明だが、譜面レベルは4、5、6と順番通りとまでとはいかない物の、うまい具合にバラけていた。

下手に高難易度譜面ばかりしか選ばないようであれば――リズムゲームでも高難易度譜面が原因でインフレと言う物が進み、それが原因で様々な事件が起こった事もある。

ただし、ネット上で事件と位置付けて、超有名アイドルコンテンツを目立たせる為のかませ犬に仕立てるという説もあり、この辺りは色々と不明な部分が多い。

こうした事例等はアカシックレコードで調べる事も可能だが、それらを全て鵜呑みにしてしまえば、自分自身の言葉で意見が言えなくなるだろう。

下手にネットだけを信じないでいると、現実世界の出来事に関して関心が持てなくなる――という弊害だろうか。

現実と架空世界――その壁を打ち破ろうと言うARゲームも開発されて入るのだが、それがパワードミュージックなのかと言われると――。

「ARゲームは、異空間で行われるような異能力バトルとも違う。あくまでも、ARゲームはゲームあってデスゲームではない――」

 何度も使われているようなフレーズではあるが、ARゲームは命を賭けるような闇のゲームやデスゲームではない。

それを百も承知の上でビスマルクもARゲームをプレイしているのだ。現実と架空世界の境界線――それがARゲームの特殊環境と言えるのかもしれない。



 4月15日午前10時49分、コース説明の画面をARガジェットで見ていたのはビスマルクだった。

「なるほど。コース的には障害物は存在しない初心者コースと言うべきか――」

 コースに関してはトラックコース形式だが、信号機で止められるような状況にはならない様子。

ARパルクールでは信号機で止められるようなコースの場合、信号機を止めた状態でレースを行うと言う。

過去には電車を止める事が出来ず、踏切で足止めとなる駅伝も存在したが――警察の協力がなければ、ここまでの事は出来ない。

信号機を止めると交通渋滞が怒るようなエリアでは迂回路を通る必要性があるが、そこまでの状態になった作品は現段階では指折り数える程度である。

「しかし、ARリズムゲームの場合は周回で競う物ではなく、あくまでも楽曲の演奏で決まる――」

 そろそろレースが始まるのだが、その頃には注文した春雨サンドが来たので、それを食べながら観戦する。

一方で、ビスマルクの様子を見ていたマスコミらしき人物もいたのだが、そちらはガーディアン側の人間が現れ、強制連行の末路をたどった。

その理由に関しては明らかにされていないのだが、まとめサイトではARゲームのスキャンダルをトップ記事で扱い、超有名アイドルグループの解散疑惑をガセであるとアピールしたいのだろう。

ちなみに、ビスマルク自身はマスコミの存在には気づいていないような様子を見せているが、アンテナショップ等ではマスコミ御断りの場所も存在する。

こうした場所にマスコミが入った場合、立ち入り禁止エリアへの侵入と認識され、逮捕されるケースがあると言う。



 午前10時50分、最初の楽曲はレベル4の楽曲――銀色のアーマーの人物が選択した楽曲である。

ジャンルは和風ロックとの事だが――どの辺が和風なのかは周囲も理解に困っている様子だった。

それに加え、周囲に楽曲が流れていないのにリズムゲームが出来るわけがない――と考えている通行人もいる。

通行人の中にはARゲームには興味がなく、コンビニへ向かったり、駅の方へと歩いていく通行人もいた。

俗にいう選挙カーの街頭演説などでも騒音だと感じるような人たちにとって、ARゲームは常時騒がしいライブ会場を歩いているようなものかもしれない。

「公道で爆音演奏なんてやっていたら、歩行者天国であったとしても大混乱になる可能性があるだろう。ましてや、それが有名バンドやアイドルだったらなおさらだ」

 この様子を見ていたビスマルクがつぶやく。彼らの持っているARガジェット、それは特殊なスピーカーが内蔵された特殊なタイプである。

ARゲームに対応した物であれば、ヘッドフォンやイヤフォン等でも楽曲を聞く事は出来る。

しかし、その場合は周囲の音が聞こえずに通行人とぶつかる可能性も否定できないだろう。

これに関しては、近年に起こった歩きスマホと似たような事例と言うべきか。

そうした事例を回避する為、このようなシステムをARリズムゲームでは実装したのかもしれない。

「逆に言えば、超有名アイドル側もゲリラライブやむ予告の宣伝活動で――パニックを起こさせる暴挙に出る事はないと言う事か」

 一方で、こうしたシステムの導入は超有名アイドル側が予告なしの宣伝活動を行い、周囲をパニックにした結果――ネットで批判を浴びると言う流れを生み出す。

芸能事務所側も草加市が暴走ファンによる風評被害を問題視し、アイドルグループの宣伝活動などを大幅に制限しているのは承知しているだろう。

解散覚悟で地下アイドル等がゲリラライブを行う可能性もあるかもしれないが、こうしたグループはマスコミにもマークされており、炎上記事の為に騒動を起こしてくれるのを待つという――。

【芸能事務所の暴走は、あの程度で済むわけがないだろう】

【向こうもマスコミが芸能事務所Aの手駒なのは――】

【結局、草加市で芸能活動が認められているのは二次元作品のアイドルだけと言う事か?】

【いわゆるナマモノ夢小説が――】

【芸能事務所Aは神にでもなったつもりか? あるいは元寇でも起こすつもりか?】

 ネット上のとあるつぶやきを見て、ビスマルクはサクラである可能性を考えた。

しかし、こうも簡単に『見つけてくれ』とアピールするようなサクラがいるだろうか?

これは単純にバイト感覚でサクラを行っている人物が、素人演技をしているという可能性も高い。

「芸能事務所Aの名前を出せば、魔女狩りに会う事を知らない訳ではないだろう」

 ビスマルクがネット上のつぶやきに関するタイムラインをチェックしている合間に、最初のレースは終わった。

結果として演奏失敗は出なかったが、3人ともニアミスが目立つ結果となっているらしく――。



 午前10時52分、レースの方は比叡が一着でゴールしたのだが、歓声と言うよりは若干のブーイングも混ざる。

レース内容としては満足いくような出来ではないとしても、ブーイングと言うのはひどい話だろう。

【白銀がスコアでリードしている。しかし、コンボ数は比叡が上だが――】

【フルコンボは該当なし。出来レースや八百長を考えたくはないが、ランカーのレース目当てだと肩透かしか?】

【初心者同士のレースではないだろう。比叡は初プレイかもしれないが、2人が手を抜いたとは思えない】

【そうなると、疑われるのは2人がチートガジェットを使っている路線か?】

【チートガジェットを使っていれば、スタート前に失格判定だろう。特殊なツールを使えば、チートを持ちこめる話もあるが】

 ダイジェスト風味であれば――既にまとめが上がっている。

動画の方は3曲目が終了してから、公式でアップされるだろう。実況入りのタイプは、午後にでも入るか?

「このブーイングは、自分に対しての物――?」

 比叡は動画で見て覚えた動きを再現できなかった事を悔しがる一方で、次で挽回するべきであるとも開き直っていた。

スーパープレイ動画通りにあっさりとプレイを完コピと言うのは――ARゲームでも不可能に近い。

プレイを覚えるにも、数回のプレイを繰り返す等の練習が必要になるのは、どのジャンルのARゲームでも一緒だ。

「しかし、まだ――諦めない!」

 スコア的には1位に圧倒的な差が出来た訳ではない為、まだまだ逆転は可能である。

一連の勝負は、まだ始まったばかりだ。ここで諦めれば――ARゲームで行うべきでないと言われている捨てゲーと思われてしまう。

捨てゲーをARゲームでタブーとしているのは、チートガジェットが流行り出してからと言われていた。

チートプレイヤーに勝てるはずがない――と正攻法で挑んでいるプレイヤーが怒りの矛先をゲームのシステムにぶつけるようになっていく。

次第に、こうした行為がエスカレートしていき、遂にはゲームその物をプレイの1ミスだけでサレンダーするようになったと言う。

1ミスだけでチートプレイヤーには勝てるはずがない、と言う状態だと言うのを分かっている為に発生した出来事だろうが。



 4月15日午前10時51分、比叡(ひえい)アスカは誘導の指示通りにコースを進み、楽曲を演奏していた。

「特に動画で見たようなシーンに遭遇するような場面は――」

 周囲を警戒しつつも、出現する白い壁に対して手持ちのロングソードを振り下ろす。

振り下ろしたタイミングは若干ずれていたらしく、白い壁は真っ二つに斬れた物の――判定としては通常だった。

リズムゲームでは、良→通常→ミスと言う順番で判定が変化し、判定によってはスコアが違ってくる。

上級者同士のバトルの場合、判定1つの違いが順位を分けるとも言われていた。

他のプレイヤーのプレイでも、1度の平凡なミスが後半のプレイにも影響し――スコアを大きく落とすケースも実例である。

「何かが――?」

 プレイ途中で比叡は何かのノイズを感じ取った。ノイズと言ってもミリ単位の物であり、普通にプレイする分には問題にならない物である。

ここまで細かいノイズを気にするとしたら、音質にこだわっているプレイヤー位だろう。

実際、ノイズに関してはリズムゲームの場合であれば意図的な演出で淹れているケースも存在する為、アーティスト側から仕様と言われてしまえばそれまでだ。

そう言った事もあり、ノイズでクレームを出すとすれば超有名アイドルの楽曲でノイズが入った場合のクレームの口実――と指摘されるのは暗黙の了解にもなっている。

単純な音源のノイズであれば、ARガジェットに干渉するなんてあり得ない話なのだが。

 結局、比叡はノイズが気になってプレイに集中出来なかった訳ではないが――知らない内にミスが連発していたのである。

ARガジェットにノイズが発生した訳でもなく、ガジェットの初期不良や欠陥と言う訳でもない。

最終的には自分でも気づかないような気の迷いが――プレイ中の乱れにつながり、あのプレイ結果にもつながった。

なお、他のプレイヤーはノイズを気にしていなかった、あるいはノイズ発生に気付かなかった――可能性が高く、特に足を止める事はなかったと言う。

類似したノイズ発生に関しては、発見出来た物でこの事例のみである。この段階では発見できていなくても、数日後には動画が増える可能性も――あり得るかもしれない。



 午前10時53分、比叡は気を取り直してARガジェットのソードを肩アーマーに固定し、改めて周囲を見回した。

建造物に不審者がいる訳でもない、逆に爆弾等が設置された様子もない、乱入者や妨害を狙っている人物がいる訳でもない。

一体、誰がレースを妨害しようとしているのか――そうした不安が、逆に比叡の腕を鈍らせていた。

リズムゲームでも、稀に野次馬の存在でニアミスを起こす場合がある。どんなゲームにも、こうしたハプニングは付き物なのだ。

「やはり、ARゲームのプレイ経験が少ないユーザーに見られる、あの現象か」

 店内でくつろぎながら、中継映像を見ていたのはビスマルクである。既にコーヒーは2杯目だろうか?

ビスマルクの言う現象とは、過去にARゲームが超有名アイドル勢力に制圧されそうになっていた時代があり、わずかな失敗が実はアイドル投資家の仕業ではないか――と思い始める物だ。

俗にいう『○○の仕業』や『風評被害を広めようと言う○○勢力の手先が妨害している』等と言うような思い込みである。

これは、悪夢の数日間や超有名アイドル騒動などとも呼ばれる事件が事例となっており、この現象は他人事ではなくなっているのかもしれない。

ネット上でも、迂闊に超有名アイドル関係の話題で『○○の仕業』と拡散すると芸能事務所の手先と間違えられる場合もある。

「古代ARゲーム自体も作り話である可能性が高いのだが――こればかりは、自分の足で情報を手にしない事には無理か」

 ネット上の情報を更に調べようともしていたが、次のレースは比叡が指定した楽曲と言う事もあり、つぶやき検索は休止と言う事になった。

ビスマルクの座っていた席のテーブルには、飲みかけのコーヒー以外にはフライドポテトとたこ焼きの様な物が置かれていた。

「隣の席、いいかしら?」

 女性の声が聞こえるのだが、ビスマルクは特に気にせず――そのまま『構わない』と言う様な様子で自分の荷物をどける。

その後、彼女がビスマルクの隣に座ったのだが、トレーにはカレーパン、チョコソース風味のフライドポテト、塩やきそばパンと変わり種揃いだ。

飲み物は特に頼んでいないと思われたが、ドリンクバーのコーラが入ったタンブラーを置いていた。

「誰かと思ったが、あのコスプレイヤーか」

 塩やきそばのにおいが気になって、ビスマルクがARガジェットから彼女の方へ視線を変えると、そこにいたのは島風朱音(しまかぜ・あかね)だったのである。

席の方も満席になりつつあった為、店員から相席を薦められ、この席になったという事だが。

「まさか、ここでビスマルクに会うなんて――」

 島風の方もビスマルクと遭遇した事には予想外と考えていたようだ。

いつものデカリボンが特徴なコスプレなので、目立たない方がおかしいのだが――分からない人にとっては、分からないままと言う事なのだろう。

それでも、コスプレイヤーに対しても態度を冷たくしないのは、草加市がARゲームだけではなくアニメやゲーム作品に対してもコンテンツ流通の促進を狙っての事である。

一般市民にとっては、何故に町おこしにゲームを使うのか――と思ったに違いない。これは何度かまとめサイト等でも話題になる物だ。

アニメやゲームで聖地巡礼者を呼び込むと言うのは、今に始まった事ではなく10年以上前から行われている物であり、タブーと言う訳ではない。

それでも否定的な意見が出てくるのには諸説あるのだが、超有名アイドルの出演ドラマのロケ地として呼び込みをした方が良かったのでは――と言う意見も存在する。

果たして、様々な個所で対立が続くこの話題には炎上が付き物なのだろうか?



 午前10時55分、2曲目の楽曲が予想外の曲だった事に対し、驚いている様子だったのは黄金の人物である。

【レベル6――何を選ぶと思ったら、ハンズアップか】

【ジャンルとしては音楽ゲーム向きだが、ARリズムゲームではどうなる?】

【ARリズムゲームでも、同じリズムゲームだ。似たような事例を出すとすれば、パルクールとフリーランニングを過剰に区別しようとするような物だ】

【レベル6が2曲目と言う事は、3曲目はレベル5か?】

【レベル5と言っても、譜面の配置や楽曲のレベル、紋章の獲得条件で変化する】

【紋章! すっかり忘れていた。他のARリズムゲームと同じと考えていたから、紋章の存在を忘れていた】

 島風がスマホでつぶやきサイトをチェックしていたのだが、そこで紋章と言う単語が気になっていた。

「ビスマルク、紋章って?」

 この一言を聞いたビスマルクは、表情が若干凍りついた。まさか、島風はパワードミュージックを知らないのか、と。

ビスマルクの方も一定のルールは理解し、設定されたゲージが0になったら演奏失敗、特定のミッションを達成する事で紋章を手に入れられる事は知っていた。

しかし、それをどういう風に言えば分かってもらえるのか。説明口調にして、逆に面倒と感じられるのも問題――と考えていた中、姿を見せたのは予想外の人物だったのである。

「紋章と言うのは、いわゆるノルマの様な物だ。一定の個数を集めれば、クリアとなる」

 ビスマルクと島風の目の前に姿を見せた人物、それは眼帯が特徴的な木曾(きそ)アスナだった。

どうやら、偶然――2人の前を通りかかったような雰囲気でもある。本来は別の人物と待ち合わせをしていたような様子だが――。



 4月15日、ビスマルクが立ち寄っていたファストフード店――そこではイースポーツやARゲームの観戦をメインとした店でもある。

その為、ビスマルクの行動は普通の店では冷たい目で見られるような物だが、ここでは特に問題視される事はない。

他のイースポーツ観戦が目的のプレイヤーも、下手にもめごとを起こせばネット炎上騒ぎになる事は百も承知だった為か、不干渉を貫いているのが現状である。

スポーツ観戦をメインとしたスポーツバーという物が存在するのは周知の事実だが、まさかイースポーツ版が存在するとは夢にも思わなかったに違いない。

スポーツバーの場合、無許可で中継を流したり、中には裏でギャンブルを行っている場所もあると言う話がある。

しかし、ARゲームの場合は全てがARゲームの運営公認となっているので、こうしたトラブルは起きない――と言うより、大きなトラブルは報告されていないのが正しいだろうか?

中には非合法なガジェット取引に使われている場所もあると言う話で、こうした施設の洗い出しや摘発へ動いている話も聞かれていた。

ビスマルクの立ち寄った場所では、こうした話題は触れられていない。空気が悪くなるという理由ではないが、意図的に話題を避けている可能性が高いだろう。

話題を出したら、場所によっては出入り禁止になるのは目に見えている。そうした話題はネット炎上を誘発するので禁止と言うテンポが多いという証拠かもしれない。



 午前10時50分、ビスマルクがレースにそっちのけで別の用件をこなしている頃、別の人物は店内に入って来た。

無人レジに置かれている装置にスマホをかざし、並べられていたパンの品定めをしていた。

「今の時間だと、軽めの方がいいか」

 眼帯が特徴である、その女性はミートソースサンドをスタッフに指差して取ってもらい、飲み物はアイスティーを選択、それをトレーに置いてもらい、近くの立見席に陣取る。

このお店は座るスペースも存在するが、立見席と言うのも存在していた。立ち食いそば屋等と同じような原理だが、あまり立見席を利用する人物はいない。

いたとしても、ARインナースーツ的な事情で座れない、簡単な食事で済ませる、立ち見でレース観戦雰囲気を楽しむ客が多い。

【この手の施設が歓迎されるムードはなかったのが、まさかの展開だったな】

【リアルのスポーツでも一般視聴者参加型番組が存在した。その一方で、様々な問題を抱えて打ち切りになったという話もある】

【それはイースポーツにも言えるのではないのか?】

【確かに、市場規模が未知数だったジャンルに投資しようと考える人物はいない。逆に莫大な借金を抱える可能性もあるからな】

【そうしたリスクを百も承知で開拓した結果が――今のイースポーツ市場とも言えるだろう】

【イースポーツは海外先行だが、日本でも認知されつつある。一番有名なのは格ゲーだ】

【それ以外にはFPSも認識されつつあるが――他のジャンルは?】

【デジタルカードゲームは従来のTCGよりは周知が鈍い、海外の事情に合わせるとウォーシミュレーションも反応がいまいちだろうな】

【リズムゲームは? 海外でも設置されている機種はあるのだろう?】

【確かにリズムゲームは海外でも支持されている。アプリゲームでもリズムゲームは多く、1000万人を超えるユーザーがプレイしている機種もある】

【しかし、リズムゲームをイースポーツ化するのは非常に難しい。海外で反応が悪い超有名アイドルの楽曲をメインにすれば、ブーイングは避けられない。それに――】

 アイスティーを飲みながら、眼帯の人物はつぶやきサイトで有益な情報を探す。

しかし、検索ワードを絞り込んだとしても思ったような情報は得られない。

検閲が入っている訳ではないのだが、特定ワードが出されるのを嫌っている傾向がある。

「遅いな――別の席で待っているのか?」

 ミートソースサンドを食べ終わった彼女は、アイスティーの入っていたコップも返却スペースへ返却し、別の席を探し始めていた。

彼女が探している人物、それは――。



 午前10時55分、ビスマルクのテーブルには島風朱音(しまかぜ・あかね)も座っていたのだが、更に姿を見せた人物がいた。

その人物は、島風がパワードミュージックの紋章を知らないという事だったのだが――。

「紋章と言うのは、いわゆるノルマの様な物だ。一定の個数を集めれば、クリアとなる」

 ビスマルクと島風の目の前に姿を見せた人物、それは眼帯が特徴的な木曾(きそ)アスナだった。

どうやら、偶然――2人の前を通りかかったような様子だった。

その木曾はと言うと、ビスマルクのテーブルにあったたこ焼きの様な物――楊枝の刺さったそれを1個つまみ、それを口の中へと入れる。

「!?」

 木曾の表情を見る限り、口の中でやけどをしているような表情――と言うよりは、変な感触がする事に違和感を持っているのだろうか。

その味はチョコレートである。たこ焼きの中身には、たこではなくてチョコレート――それもチョコの塊が入っていたのである。

その昔、玩具入りのチョコ菓子と言う物があったが、それをたこ焼き生地にチョコレートが入った物――と言うべきか。

実際には、たこ焼きの生地と思われたのはホットケーキ、ソースと思っていたのははちみつ、青のりはチョコチップ――。

「それはチョコ焼きというスイーツだ。マヨネーズでもかけようと言うのであれば、大変な事になるが」

 ビスマルクに言われて、ようやく味に関する違和感は解けた。しかし、カロリーが高そうと別の事を考えたようだが。

そして、木曾はビスマルクのお腹をじーっと見つめる。それに対してビスマルクは何も指摘しようとはしなかった。おそらく、何かを察したのかもしれない。



 その後、木曾は島風に改めてパワードミュージックの説明を行った。

難しい説明口調で話しても、おそらくは耳に入らないので――独特の口調で話し始める。

それは、木曾がリズムゲームのプレイヤーである事も理由の一つか。

「通常ルールでは紋章が10個集まればパーフェクトクリアとなる。しかし、1個も紋章が手に入らなければ――演奏失敗だ」

「紋章を手に入れる方法、それは譜面でフルコンボを取る、一定スコアに到達、特定アクションを披露する等があるが――楽曲よってと言うか、プレイヤーによって違うだろう」

「パワードミュージックでは紋章入手が目的の一つにはなっているが、あくまでも目的の一つであって、最終目標ではない」

「パワードミュージックは自由な目標設定が出来る、カスタマイズも自由自在、プレイスタイルも特に制限がかからない――ただし、怪我をする恐れのあるアクロバットは禁止されているが」

「カスタマイズも、さすがに裸エプロンとか全裸と言った物は――ARゲームでなくても警察に御用となる。露出度の高いコスプレで盗撮事件が起こるのと、同じ原理と言うべきか――」

「それでも、試しにプレイしようと言うプレイヤーが多いのも事実だ。ARゲーム自体が、まだ未知数の部分も多い影響は受けているかもしれない」

 木曾の解説は専門用語を使いつつも、分かりやすいように若干をかみ砕いて解説している。

公式ホームページでは複雑すぎる、まとめサイトでも炎上を煽るような発言やアフィリエイト広告等が邪魔――と言う事を考えると、その分かりやすさが浮き彫りになっているだろうか。

 木曾の解説に集中していたビスマルクは、またしても2曲目のプレイを見逃してしまった。ある意味でも不覚を取ったと言える。

後から動画サイト等でアップされる動画でチェックする手もあるが、やはりリアルタイム視聴に勝るものはない。

「3曲目の曲は――!?」

 楽曲名を確認したビスマルクは、若干かたまっていた。指定していた曲のレベルは5である。

しかし、譜面のレベルでビスマルクが固まった訳ではない。問題は楽曲の方であった。

「なるほど。これは、同名の別曲ではないのか」

 木曾はビスマルクが固まった理由が若干理解できていた。超有名アイドルの楽曲に、似たような曲名があったからである。

それに対し、ビスマルクが固まっていたというのが原因である。本来、超有名アイドルの楽曲はARリズムゲームには収録不可能だったからだ。



 4月15日、その日は他のパワードミュージックのフィールドでも類似案件が起きていたのだが――それを比叡(ひえい)アスカ知ったのは、翌日の事だった。

ネット上で情報規制がされていた訳でも、超有名アイドル勢力が過去のグループ解散記事を捏造したつぶやきを拡散する等の情報戦がされていた訳でもない。

単純に言えば、これに言及したとしても信じてもらえないと考えていた人物が圧倒的に多かった事――それが理由だった。

楽曲のノイズに関しては意図的な演出と言う公式発表があったのだが――それ以外の事例に関しては調査中として、説明を避けた格好である。

【あのラグは、もしかして――?】

【ノイズは該当する楽曲だけではなかった。しかも、ザッピングにも聞こえたような】

【どちらにしても、一連の事件はアイドル投資家やフーリガンと化したファンの仕業だろう】

【あの連中をフーリガンと言うにはサッカーファンに失礼だ】

【どういう風に呼べばいい? さすがにテロリストはドン引きだぞ】

【全世界を超有名アイドルの支配下に収めなければ気が済まない。そして、その邪魔をする物は全てかませ犬として引き立て役に仕立て上げる――彼らは、アイドルマフィアと言ってもいいだろう】

【埼玉県内ではリアルマフィアは全勢力が撤退――それも、薬物絡みの一斉摘発が原因と聞く】

【おそらく、リアルマフィアの件はフェイク。ニュースやネット上でも伝えていない真実は、何処かにある】

 ネット上のつぶやき、それらを見てワンパターンとつぶやくユーザーもいる。

あるいはSNS疲れ――とも言えるような症状を訴える人間もいるようだが、それらをニュースで報道する事はない。

逆にアイドル投資家や芸能事務所側が裁判を起こされては、自分達にも不利が生じると考えているのか?

それこそ、アカシックレコードに書かれている筋書きと同じ可能性も高いだろう。

しかし、本当にアカシックレコードに記されたWEB小説と全く同じ事が、現実に起きると――本当に考えている人間なんているのか?

その答えは、はっきり言うとゼロではない。一部のアカシックレコードからコンテンツ業界の危機を読み取ったプレイヤーは、確実に動きだしているのだ。

ある者はアカシックレコードへのアクセス能力を利用し、歪んだ情報を拡散する人間を通報し、アイドル投資家の違法な転売等を摘発する。

また別の者は、アカシックレコードに記された設計図などからARガジェットを復元、チートと言う不正行為を行うプレイヤーの排除を行っていた。



 午前10時58分、木曾(きそ)アスナの解説に集中していたビスマルクは、またしても2曲目のプレイを見逃してしまう。

「3曲目の曲は――!?」

 楽曲名を確認したビスマルクは、若干固まっていた。彼女が問題にしているのは楽曲名の方である。

その楽曲名は一見すると、ある楽曲と類似しているのだが――。

「なるほど。これは、同名の別曲ではないのか」

 木曾はビスマルクが固まった理由が若干理解できていた。超有名アイドルの楽曲に似たような曲名があったからである。

本来、超有名アイドルの楽曲はARリズムゲームには収録不可能だったからだ。その理由が楽曲の使用料と言われると、そうではない。

だからと言って海外の事情に配慮した物でもなかった。ARゲームが稼働しているのは、現段階で日本国内に限定される。

海外でARゲームが稼働できない理由は場所が確保できないという理由もあるかもしれないが、おそらくはARガジェットの仕様的な部分が大きいだろう。

それが理由となって、海外からの観光客も草加市に集まっている現象が確認されているのだ。

つまり、ARゲームは一種の観光資源にもなっていたのである――と言っても、その辺りの周辺事情を説明してビスマルクが楽曲名の類似に納得するとも思えない。

「同名の、別曲?」

 ビスマルクが木曾に指摘され、曲名を改めて見ると――微妙に楽曲名は違っていたのである。

わずか漢字一文字の違いで、ここまで慌てるとは――ビスマルクはとんでもない事をしたと心の中で思う。


 

 午前11時、再びスタートラインに立つ比叡は、周囲の様子が変化しているようにも見えた。

「意図的にネット炎上を誘い――超有名アイドルコンテンツのかませ犬にしようとしているのか」

 比叡は一連の妨害が何かの意図を持って行われている事に気付き始めた。それが、超有名アイドルコンテンツである事にも――。

それを踏まえると、黄金のプレイヤーと白銀のプレイヤーも実はサクラなのではないか――と疑い始める。

もしかすると、初心者狩りなのではないか、上級プレイヤーに対するかませ犬として選ばれたのではないか――とネガティブな思考も入ってきていた。

「これが、一般的なゲームとも違うARゲーム――」

 比叡は動画サイト等では言及されていなかった事実に気付き始めている。

ARゲームとは拡張現実を使用したゲームであると同時に、リアルとバーチャルの区別がつかなくなる危険性も持っていたのだ。

これがプレイしてようやく分かった事実だとすれば、それをアンテナショップの段階でも注意すべき部分である。

それなのに、どうして――彼らはARゲームに熱狂出来るのか? 比叡が疑問に思った事は、ARゲームをスルーしている人間にも該当する事だ。

ARゲームをプレイする事にリスクが生じるのは、あながち嘘ではないらしい。

「フィールドは現実の物をそのまま流用し、ゲームサイドで用意する物は――と言う事か」

 フィールドをよく見れば、街の風景はARバイザーなしで見ていた風景と変わらない。

観客の姿も消えていないが――ARバイザーを身に付けていない一般客は色だけの存在となっており、認識はされていないように見える。

しかし、あくまでも見えるだけ。一般客に怪我をさせてしまった場合、厳重注意だけでなくライセンス停止に発展する事はガイドラインにも書かれていたように思えたが――。

【余計な情報に惑わされるな。ゲームに不必要な情報を取り入れる事は、炎上勢力やネット警察等と変わりない】

【ARゲームを純粋に楽しむこと――それがARゲームをプレイするのに最重要項目と言える。だからこそ、最低限の事以外をアンテナショップでは言及しない】

【何故、パワードミュージックを始めようと思ったのか――それを思い出せ】

 ARバイザーに表示されたショートメッセージ、それは自分を励ましているようにも思えた。

最初にプレイしようと思ったきっかけを思い出せ――確か、新たなリズムゲームを見つけた事による物だったはず。



 その後、比叡は出来うる限りの全力を発揮し、最終結果としては2位となったのである。

しかし、パワードミュージックを甘く見ていたのも事実であり、従来のリズムゲームと同じようにあっさりとクリア出来るだろうという慢心もあった。

【ARゲームはアドベンチャーゲーム等のように攻略本どおりにプレイすれば、パーフェクトのスコアを出せると考えているのであれば――その認識を改めるべきである】

 このコメントは別のウィキで載っていたARゲームの心構えの項目――そこに載っていたと記憶している。

自分としても動画サイトを見れば、容易にクリアできるヒントが見つかると甘く見積もっていた部分はあるだろう。

もしかすると、ネットで何でも見つけられる――それこそネットが便利アイテムみたいな認識をされている事こそが、今回の件に関する落とし穴だったと言えるかもしれない。

「1位だけを求めるあまり、チートと言う手段に手を出すまでになったプレイヤーか――」

 比叡はチートを持ち出してまで1位を取ろうと考えるプレイヤーの心理が、少しは分かったような気がしていた。

しかし、本当に目立ちたいだけでチートガジェットに手を染める――何故、そこまでARゲームにこだわるプレイヤーがいるのか?

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