normal(正常)
宇宙。環状線航路を飛ぶ黒い船。操縦室に座る闇色の髪を持つ女たちはきゃらきゃらと笑う。
「ナイト! 私の
「ええ、ええ、メア。なにかしらね」
「まあなんだって私たちにはついてこれないわ! アハハ! ニトロボタン押していいかしら……!」
仰々しい帽子を被る黒髪の女は、叫ぶように言って、レーダーを眺めた。小さな影は少しずつ近づいていく。少しずつ、ゆっくりと。ナイトはぱちぱちと目を瞬いた。
「これって進行方向よね?」
「そうねえ! ん? ぶつかるかしら?」
「い、いいえ? でも、なんだか、変じゃない?」
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