notice from phantom ship(幽霊船から)
「あなたがああやってするの、珍しいですね」
船内に声が響く。Doomはモニターから目を逸らさず、口を開いた。
「菓子屋の店主に手を振り返したことか? …………邪険にするわけにいかないだろう、『先生』の娘だぞ。っていうかDear、見てたのか……」
「目を瞑っていたほうが?」
「変な気遣いはよしてくれ。まるで疚しいことがあるみたいな言い方を……」
ピピピ、と船内にアラートが鳴る。操縦桿を握るDoomはレーダーに映る影に気が付いた。流線型。他の船だろうか。しかし、異常に速い。後方から段々とデリシャスメテオに迫ってくる。
「……彗星軌道の航路は一般じゃもう使われてないはずだろ!? なんで船が居るんだ!」
Doomが叫ぶ。操縦桿を押し込み、急加速しながら軌道を無理やり変える。脇へと逸れたデリシャスメテオの脇を、謎の船はゆっくりと追い抜いて行った。
「……一体どうなっている?」
呟き、Doomは黒く巨大な影を見送った。速度を緩めると、少し見覚えのあるような黒い船は、宇宙の闇へと見る間に消えた。
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