第3話
日曜日。美智代との約束の日だ。雲がやや多いものの穏やかに晴れた。風も弱い。デートの日の天候としてはまず申し分ない。
普段はジーパンの僕が久しぶりにチノパンを出した。前の夜にしっかりプレスもしておいた。それに小汚いTシャツではなくて、しっかりノリの効いたシャツ。朝風呂に入って髪を洗い、しっかり乾かして寝癖を消した。もちろんヒゲも剃る。
バスタブにつかると毎回見える、バスルームに残っていた、由有ちゃんが残していったシャンプーとコンディショナーのボトル。そして歯ブラシ。どうしようか。
僕は今夜、美智代がこの部屋に来る可能性について考える。もしかしたら、あるかもしれない。僕は美智代のスタイルも顔も好みだし、明るくて快活な性格だって大好きだ。女子高育ちで、男性との仲をどう進めていいのかイマイチわかっていなくて、もたもたしている感はあるけれど、今日のデートで僕と美智代の仲はある程度方向性が決まるだろうと思う。それは彼女も僕も望んでのことだ。
「二人は恋人同士になる」
その確認のためのデート。そんな気がした。由有ちゃんとのことで、美智代が見せたいらだちと動揺は、そのまま僕への好意への裏返しなのは、誰が見ても明らかだった。
美智代が来るかもしれない、という前提で、小さなボトル二つを洗面台の下の棚にしまいこむ。洗剤や雑巾などの掃除道具がしまってある場所だ。歯ブラシも同じ場所へ。こちらは掃除用に取っておこうと思った。一人暮らししてまだ日が浅く、使い込んだ歯ブラシがないからだ。隅っこへ押し込み、雑巾を積み重ねていく。一人暮らしを始めたばかりなので、新品の雑巾しかない。マジックリンなどの家庭用洗剤に、洗濯洗剤もここに入れておいた。母親が「あったらきっと便利だから」とプラスチックの小さなバケツを荷物に入れていたのだが、それもここに。確かに窓の掃除なんかには使えそうだ。
恋人になったその日に、泊まるなんてことはないと思うけれど、このあいだの由有ちゃんとのようなハプニングがあるかもしれない。やむにやまれぬ事情とか。
身づくろいのラスト。普段はほぼメガネだがコンタクトレンズにした。実はメガネの度数が今一つ合っていない。コンタクトレンズのほうは強めに作ってあるので、景色を見るにはこちらのほうがいいと思った。
メガネをかけてもかけなくても、印象がそれほど変わらない人もいるが、僕の顔はかなり変わる。別人と認識されるくらいだ。美智代がどちらの顔が好きかはわからないけれど、一般的なウケでいうと、コンタクトレンズ装備の素顔のほうが評判はいい。
総じて「こざっぱり」した服装で四条河原町の阪急前に急ぐ。ここは京都では最も有名な待ち合わせ場所だ。
約束の五分前に着いた。たくさんの待ち合わせ人でごった返している。これは探すのが大変だ……。いや、まだ着いてないかもしれない。
僕は人ごみの中を自慢のアイ・スキャンで走査する。女の子のスリーサイズを瞬時に算定するという特技だ。専攻の飲み会で披露した際、女性陣に大ブーイングを浴びたのだが(そして男性陣には大喝采を浴びた)、その時人身御供になってくれた女の子は笑って許してくれた。その時の僕の走査結果については「なかなか精度はいいと思う」だった。
今日はスリーサイズ算定はせずにただ、美智代を探すだけの広域スキャンモードだ。
北面にはいない。西面かな。そちらのほうへ移動しようとしたそのとき、交差点を小走りに渡ってくる女の子が目に入った。
美智代だ。
すれ違う男たちが振り向いてる。少し緊張感を漂わせた口元。ほのかなメイク。普段はスッピンだから、より一層の華やかさが半端ない。淡いオレンジ色のワンピース。裾の丈が思いのほか短くて、つねづね見惚れているスラリとした脚が美しく映える。あんな服、今まで着てきたっけ。もしかしたら新しくおろしのかな? だとしたら、うれしいな。美智代の気合の入り方がわかる。長い脚にスレンダーなスタイル。そして小さな頭に正統派アイドルを思わせるキュートな顔。このコ、こんなにかわいかったっけ。普段からかわいいとは思ってたけど、ちょっと本気出しておしゃれするだけで格段にかわいさグレードが三階級特進してる。軍隊なら名誉の戦死だが、今回ハートを打ち抜かれたのは僕のほうだ。
行き過ぎる男たちが次々と美智代を見てる。振り向く。「街で噂の美少女」なんていうフレーズがあるけれど、今の美智代はその言葉そっくりそのままだった。美智代の周りだけ色彩が鮮やかになっている。
声をかけるため駆け寄ろうとした矢先、見知らぬ男が美智代に声をかけた。怪訝な顔をしている。首を振ってる。「急いでるんです」。かすかに聞こえる声。間違いない、ナンパされてるんだ。僕は急行した。
やさ男がまだなにかぺらぺら話しているところに、スッと入っていく。
「俺の恋人になんか用か?」
にらみつけると、「あ、スンマセンスンマセン」と平謝りして退散していった。
美智代のほうを見ると、申し訳なさそうに「どうもありがとうございます」と頭を下げてる。あれ? えーと。
「おれ、俺だよ」
「え?」
おずおずと顔を上げて僕を凝視している。
「もしかして、みっちゃん?」
「そうだよ」
ポカンと口を開けたまま僕を見てる。
「どうしたの、それ」
「それってなに」
「なにって、全部」
「だから全部ってなに」
コントやってるんじゃないんだけど。
「メガネは?」
「今日はコンタクト」
「寝グセは?」
「風呂入ってきた」
「服は?」
「デートなんだから普段着ってわけにはいかないだろ」
そういうと今日初めて美智代はにっこり笑ってくれた。それだけで周りが華やぐ。
ていうか、俺のこと、寝グセで判別していたのか。
「さっき、『俺の恋人』って言った」
「ああ……そう言ったほうが追い払うにはいいかと思って。気に障ったら謝る」
「ううん……ちょっとうれしい」
え。
もうわかってるけど、でも、そんなふうに好意を言葉で示されると照れる。
「じゃ、まあ、行こうか」
僕たちは祇園のほうへ歩き出した。
歩き出してすぐに鴨川を渡る四条大橋に着く。このあたりは観光客と地元の人間が入り乱れており、日曜の昼前となるとかなり壮絶な人ごみになる。僕と美智代は微妙な距離を空けて横並びに歩いていたが、その空隙も取れないようになってきた。このままだとはぐれかねない。
「手、つなぐか」
さりげなく言った。「えっ」と驚き、そして照れた顔。何か言う前に僕は美智代の右手を握る。
「こんなだったら、迷子になっちゃうぞ」
「うん」
しょっちゅう並んで歩いてるから大丈夫だと思ってたんだけど、やっぱり手をつないで歩くというのは緊張を要するものだ。二人の歩幅を合わせて、呼吸を合わせて。でも、今はそのぎこちなさが心地よくて。
恋が始まるんだなって思うと。しかも、こんなに素敵な女の子が。
僕を求めてくれてる。
「なにか……話して」
「うん」
柄にもなく僕も緊張しちゃって、無口になっていた。
「美智代、今日すごいキレイだよ」
「ホント?」
「うん。道行く男がみんな振り向いてた。今だって。俺も鼻が高いよ」
「でも、びっくりしたよ? 通りがかりの人が助けに来てくれたとばかり思っちゃった」
「逆にそういうほうが怪しいよ」
「みっちゃん、印象かなり変わるね、メガネがないと。今も違う人みたいに感じる」
「だろ? 美智代とのファーストデートだから、本気出してみた」
「ありがと……私、男の子とちゃんと二人でデートするの、初めてかもしれない」
「マジ?」
「うん」
……責任重大だな。美智代の人生の節目に間違いなく僕の名前は刻まれる。ちゃんとエスコートしないと。
四条大橋を渡りきり、そのまままっすぐ突き当たりの八坂神社へ向かう。境内を経由して二年坂、産寧坂を経由して清水寺へ向かう予定だ。デートというよりは京都観光みたいなルートだけど、美智代は「せっかく京都に住んでるのに、どこにも行ってない」と言ってたんだから、こういう観光ルートのほうがいいかなと考えた。途中、どこかでお昼かな。
東大路通を渡って、八坂さんの石段をのぼりかける。
「松沢!」
頭上前方から聞きなれた声が聞こえて、二人で顔を見合わせた。目の前からトシと由有ちゃんが降りてくる。
「あれ、あれ、あれれれ」由有ちゃんが変な声を出してる。
「あれ、もしかして、みっちゃんか?」トシまでなんだよ。
「もしかしなくても俺だよ」
「へー、俺はまた松沢が知らない男と歩いてると思って、こりゃ、みっちゃんに報告しなきゃって思ったぞ」
「なんだそれ」
「ふたり、手をつないでるんだね」
僕とトシが掛け合い漫才になりかけたときに、由有ちゃんが冷静に指摘してきた。
「あ、うん……すごい人ごみだから、迷子にならないようにって」
「本当にそれだけ?」
そう言ってニヤリとする。冷静に観察しているところが、由有ちゃんにはあった。
「おまえらこそ、二人でなにしてんの? デートか?」
「うん、まあ」トシが照れてるのは初めてみた。がんばってもうデートまで取り付けたのか。案外やるな。由有ちゃんもそれなりに照れてはいたけど、デート現場を押さえられたせいか、美智代のほうは真っ赤になってうつむいてた。
「美智代かわいい。そうかー三山くんのために……」由有ちゃんがそういうと。
「あ、えと……そんな」美智代がもごもご言ってる。相変わらず攻めに弱いな。由有ちゃんはそれをわかってイジってるみたいだ。
「それにしてもみっちゃんの変貌は驚きだな。まるで違う」
「私も驚いた。印象、ぜんぜん違うね」
「私も最初、誰だかわからなかったもの」
美智代がトドメに言って。
「人のことをラスボスの第二形態みたいに言うなよ」
あははは。みんなで爆笑して。
「みっちゃんたちはどっち方面?」
「俺たちは最終的には清水さん。そっちは?」
「俺たちは哲学の道を経由して銀閣寺、かな」
期せずして二組のフレッシュカップルは京都お寺めぐりをファーストデートに選んでいた。高尚な感じがするし、セクシャルな背景とは無縁で女の子はとくに安心できるプランだから、人気が高い。
「それじゃ、また明日、学校で」
あまりダベるのもよくない。今日は美智代とのデートなんだから。
トシ&由有ちゃんと別れて僕たちは八坂神社の境内に入り、お参りした。
「何を願ったの?」美智代に聞かれて。
「そういうの、口に出すと叶わないって言わない?」
「そうか……」
「じゃあ、美智代は?」
「言わない」
そう言いながら、でもニコニコしていて。表情を見ていたらわかる。なにを願ったのか。
しだれ桜で有名な円山公園を経由して南側から出る。高台寺の前を通り、二年坂へ続く小路へ入った。こう書くと、歴史の舞台を歩いてる気分になる。高台寺は豊臣秀吉の奥さんだったねねが晩年を過ごした寺だ。
そろそろお昼になる。初夏の太陽は天頂近くから照り付けてきた。
「お腹すいた?」
美智代に聞いてみたら、予想外の言葉が返ってきた。
「たぶん減ってると思うんだけど、緊張してよくわからないの」
「緊張なんかするなよ。いつもどおりの美智代でいいんだよ?」
顔を覗き込む。
「やだ、みっちゃん。いつもと違う顔でそんなこと言って。もっともっとドキドキして緊張しちゃう」
しょうがないなあ。美智代の態度と言葉は「あなたが好き」という核心だけを言わずに、それに関連しているフレーズと仕草で構成されている。どんな鈍いやつでもわかる。だからこそ、僕はどのようにしたら僕たち二人がすんなりと恋人同士に移行できるのかを考える。でも、まずその前に腹ごしらえだ。
「あっさりと蕎麦でも食べるか」
「なんでもいい」
消え入りそうな声で言う。当初の予定とおり、老舗でうまい蕎麦を食わせる(とガイドブックに書いてあった)店へ入った。
二年坂から産寧坂にかけては飲食店とみやげ物やが延々と並んでいる。選択を間違わなければそれほど食事で苦労はしないはずだ。
二人ともざるそばを頼んだ。だしの効いたつゆがうまい。つるりと食べてしまった。美智代も緊張しているというわりにはさらりと食べている。蕎麦湯をもらって完食した。
「大丈夫? 気持ち悪くない?」
「平気、胃にすーっと入っていって、おいしかった……わたし、朝も食べてなかったから」
「俺相手にそんなに緊張するなよ」
戯れて言ったつもりだったけど。
「男の子と初めてのデートだよ? 緊張するよぉ……」
美智代ってこんなにかわいかったんだ。外見はむろんのことだが、内面も。壊れそうで守ってあげなくちゃって思う。
店を出て産寧坂のほうへ歩き出す。ご飯時なのに観光客で混んでいる。
「な、美智代。次の階段上ろうか」
「え? 階段?」
きょろきょろしている。
「いや、実際の階段じゃなくて……さっきは手をつないだから、今度は腕を組んでみない?」
「え」
「だめ?」
「だめじゃないけど……どうしたらいい?」
と言われて、そういえば僕もちゃんと腕を組んだことがなかった。
「えーと、こうじゃないかな」
僕は自分の左腕に後ろから美智代の右腕がからむように誘導する。
「こんな感じ」
「……うん」
「じゃ、歩いてみようか」
「ん」
いざ歩き始めると、手をつないで歩くよりも難しい。歩幅がそろわないから二人の間が広がったりぶつかったり。
「なんだか二人三脚に近いな、これ」
「ごめんね」
「いや、怒ってなんかないよ。こういうのってドキドキするなあって」
「みっちゃん、なんだか余裕あるよ?」
「そんなことないよ。俺だって、けっこういっぱいいっぱいだよ」
実際そうだった。どきどきしていた。美智代とぶつかったときに左腕の肘が軽く美智代の胸に当たって。その意外なボリュームとか、柔らかさとか。目で見るよりも圧倒的な情報量が肘から流れ込んできて、頭の中がパンクしそうだ。だけど、少しでも美智代の不安を取り去ってあげたいから。
「たぶん、何度も一緒に歩いてたら、歩幅もそろってくるようになるよ」
「……そうなるまで、一緒に……歩いてくれる?」
心に響いた。たぶん、今、美智代は持てる勇気のすべてを振り絞って、この言葉を言ってる。
「もちろん。ずっと、一緒だよ」
とたんに組んでいた美智代の腕がぎゅっとなって、すがるようになって。道の真ん中だと邪魔になるから道端に寄った。「どうしたの?」って覗き込んだら、美智代のきれいな瞳いっぱいにうるうるの涙がたまってて。「泣かなくていいんだよ」って、空いてる右手で美智代の頭を撫でる。背の高い美智代の頭が僕の肩口あたりに寄ってくる。
落ち着くまで僕たちはしばらくそうしていた。抱き合うでもなく、肩にころんと美智代はおでこをくっつけてた。
「だいじょうぶ?」
五分くらいだろうか。産寧坂の道端でしばらくくっついたままたたずんでいた僕たちは歩き出した。相変わらず広がったりくっついたりしているけれど、それは恋のはじまりの証拠だと思う。
「な、美智代。今日のことずっと覚えておこう?」
「ん、もちろんだよ」
「きっと何ヶ月か経って、ぶつからないよう歩けるようになったら、今日のこと、懐かしく思うよ」
「みっちゃん……。みっちゃんって軽いわりに本はたくさん読んでるみたいだけど、恋愛小説も読むの?」
妙な角度から質問が来たので意図がわからなかった。
「いや……読むのはノンフィクションが多いな。小説も最近のはあまり読まないし……なんで?」
「だって……私にかけてくれる言葉ひとつひとつにきゅんきゅんしちゃうよ」
「……そうか。じゃあ、小説家にでもなるか」
「もう!」
少しは笑いを取らないと、緊張して僕のほうもギリギリだったのだ。
清水寺に入った。
まずは音羽の滝へ。すごい行列だったけれど、僕はぜひ「頭がよくなる」水を飲みたいと思っていた。
「美智代はどうする?」
「私は……美人かな」
「もう美人だよ」
「もっともっと美人になる。みっちゃんのために」
僕と美智代はまるで「好き」という恒星の周りをめぐる惑星のようだった。二人とも決して核心の言葉は言わないけれど、それを匂わせる言葉や行動で相手に気持ちを伝えつづけている。そして本堂へ。いわゆる「清水の舞台」と言われているところだ。この本堂は徳川三代将軍・家光の命で再建されたのだが、お寺の歴史自体は平安京遷都以前にまでさかのぼる。この国の原風景を見続けてきたお寺だ。
それにしても四百年近く前に、こんなオープンテラス構造の建物を建てるなんて、なかなかいいセンスしてるな、と思った僕はやはり変なんだろうか。
「んーん、変じゃないよ」
美智代が同意してくれる。自分の意見に同意してくれる人の存在って、なんてこんなに力強いんだろう。
清水の舞台の上は海外から来た観光客も含め、たくさんの人でにぎわっていた。舞台自体は南側に向いているため、目の前は境内や山になる。西側に京都市街地が見える。
「こっちへ」
美智代を連れて、西側の京都市街が一望できる場所へ移動していく。
端まで来て。
美智代に向かい合った。
「みっちゃん?」
僕は男だから。だから、こういうのは男からやんないといけないんだ。いくらナンパだ水素なみに軽いだとディスられても、これは人類百万年の掟なんだ。
喉がカラカラだった。美智代は不安そうな目で見てる。
「美智代……俺の、」
そこまで言うと、美智代も察知したのか、表情が変わった。緊張してる。
「俺の、恋人になってください」
言った。
僕の体内にあるHP(ゲームによくある体力のことね)すべてを使った。
そのとき、美智代は半分泣いて半分笑っていたと思う。どう書いていいのかわからない表情をして、そして。
「よろしくお願いします」と頭を下げた。
やった。
やったー。
やったぞー。
「今、ここから見える京都の人すべてが証人だからね」
不意に。
周りから拍手がおきた。なんだ?
「おめでとー」「おしあわせにー」「彼女、めっちゃかわいいやん」「うらやましー」「Congrats!」「ハラショー」
なんだなんだなんだ?
そばにいた三十代らしき夫婦が「あんだけ大きな声でコクったら、みんな聞こえてますよ」って教えてくれて、大至急この場から逃げ出したいと思ったけれど、祝福してくれてるたくさんの人たちの笑顔を見ていたら、「どうもありがとう、すんません」と頭を下げるしかなかった。
「清水の舞台から飛び降りる気持ちで伝えました。みなさん、どうもありがとうございます」
僕が頭を下げると美智代も同じように下げて、そこにいたみんなが僕たちを祝福してくれた。たぶん、あの瞬間、地球上で一番幸せな二人になれたと思った。
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