1-3
「お、来たんじゃないか?」
遠くの方から軽い足取りの大きな足音がドスン、ドスンと聞こえてくる。まるで、刑を執行される前の犯罪者のような顔になってしまう。笑っている真斗と、
「あ……ま、」
「おはようございます!
ノックはしない。彼はそういう男だ。外まで聞こえそうなくらいの大声に、一瞬気が遠くなる。太い腕、厚い胸板、まるで日体大生のような日体大卒の
「梶、人間界では扉を開ける前にノックをするのが習わしなのだが……ゴリラ界の先輩には教わらなかったのかい?」
鶴子の直接的な皮肉に肯定を示すように真斗が頷く。そんな言葉を吹き飛ばすかのように笑う梶刑事。彼の心臓には毛が生えているのだろう、暗黙のマナーを守っているところは見たことがない。よく巡査長になれたものだ。
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