五章 Forrest gump
メアという新たな命が生まれ落ちるとき、母は自らの命を代償とした。
産声を上げた赤子は、母の声を知らず、微笑みを知らなかった。
その寂寞を埋めてやろうとしたのか。父は大海原のような果てしない愛情を注いでくれた。だからメアは、母親のいない自分の運命を呪わずにすんだし、晩くまで帰ってこない父を憎まずにいられた。
ただ一人でも生きていけるように、自らの肉体を、心を磨き続けてきた。己が身体だけで、この過酷な世界を生きられるように。暗い独りの家の中、泣かずに夜を過ごせるように。
肉体は鍛えるだけ、それに応えてくれた。
ところが、心は何度寂しい夜を耐え忍んでも、なかなか強くなってはくれなかった。
優しい父に我儘を言ったこともある。父は娘の言葉にできるだけ応えようと苦心していたようだった。笑みの向こうに見える疲れが、それを物語っていた。メアは後悔した。二度と我儘は言うまいと決めた。
メアは賢く、誰よりも父を想っていた。
だからこそ、苦しい日々が続いたのかもしれない。独りの夜は、眠ってもまだ明けないような気がしたものだった。それでも毎日が続き、朝が来て、夜が来た。幼稚園へ行き、震えながら眠り、学校へ行き、嗚咽とともに眠った。
メアは独りだった。彼女には自分がなかったから。
人を傷つける言葉を言わず、自分の思いを告げず、人のためだけに存在する彼女は、子どもの目から見ても歪に映ったのかもしれない。
ところが、孤独なトンネルの中に、突如眩い光が差す。それはたちまち彼女を覆う寂寥を払った。
光の名は、ミチェス・バートラーといった。
彼女はとても弱かった。ちょっとしたことですぐ泣いた。柱の角に肘を打ちつけただけで泣いた。メアなら表情一つ変えずにいるところを、彼女は恥じらいもなく泣くことができた。
反面、彼女はよく笑う子でもあった。彼女はメアと正反対で、とても素直だった。自分のために笑い、人のために笑えた。
彼女は、メアを避けなかった。独りきりのメアに手を差し伸べ笑ってくれた。
メアもそれを拒まなかった。屈託のない笑顔に、逆らえなかった。
そうして彼女と一緒にいるうち解ってきた。強く見せるだけでは、正しく生きているとは言えないのだと。
いつの間にか、夜眠るのが楽しくなった。
夜が明ければ明日が、ミチェスが待っていてくれるから。
ミチェスはメアの
メアの父が亡くなったときも、ミチェスは全力で泣いてくれた。まるで自分の父親を亡くしたかのように。メアが泣くのがバカらしく思えるくらい、彼女は派手に泣き崩れた。
メアはミチェスを抱きしめ、悲痛の中に微笑を浮かべた。
ミチェスが泣きながら言った。
「メア、独りじゃないよ。お父さん、これからもずっとメアと一緒にいてくれるから。私だってそう。ずっとメアと一緒にいるんだからぁ……」
「うん……」
ミチェスの肩が濡れる。
それが自分の涙だと判るのに、少し時間が要った。父の前で流した涙は、これが初めてだったから。
「ミチェス、私も、同じだから。ずっと、あなたの傍にいるわ」
メアはこの瞬間を、永遠に忘れないでいようと思った。自分を素直にさせてくれる、この親友を一生守っていこうと誓った。
しかしその思いも虚しく、あの日彼女は――。
◆◆◆◆◆
そこここで回転灯の赤い煌めきが空を裂き、警報音がわんわんと耳を圧している。
そのどれもがメアの意識の中へ融けこむことはなく、彼女の視線はただ一点に縫いとめられていた。
「ミ、チェス……?」
監視カメラの映像に自分がどう映っているかなど、その時のメアは気にも留めなかった。
死んだはずの親友が目の前にいる。自分の手を握っている。その事実が信じられず、使命など頭の中から吹き飛んでいた。
「ミチェス!」
メアはミチェスのもう一方の手を取って、彼女を正面から見つめる。
そばかすの浮いた丸みのある顔立ちを。
彼女の優しさを体現したような相貌はしかし、なんの感情もない無を貼りつかせたまま微動だにしない。やや見下ろす形になったメアと目が合うこともない。彼女は虚空を見つめ、ただじっと佇むだけだ。
「……ミチェス。ねぇ、ミチェス。どこ見てるの?」
メアはミチェスの肩に手をやり、揺さぶった。ミチェスはされるがままだ。手を振り払うことさえない。
ゆっくりとした衝撃が胸を圧す。潰れてゆく心の破砕音が喉を破ろうとする。
「どうして、どうしてよ……」
この子が本当にミチェスなら、素直な彼女は親友との再会に滂沱のごとく涙を溢れさせたはずだ。会いたかったと声を限りに叫んだはずだ。
それなのに、なんだ。これは。
どうして動かない。どうして目を合わせもしない?
メアは自分の中のなにかが、ついにパキパキと砕け散らばってゆくのを感じた。
同時に、社長室のドアが木端となってメアたちの許へ飛来する。
メアは反射的にミチェスの前に立とうとした。泣き虫のミチェスを守るのは、自分の役目だったから。
「えっ……?」
ところがその時、ミチェスの細い腕が、メアを押しのけた。
そればかりか、その腕は飛来する木端を一つひとつ弾き飛ばし、摘んでは塵に変えた。目に留まらぬ早業は残像を描き、やがて一つところに収束する。
なに、今の……。
木端の幾つかが胸や腿に当たっているところを見ると、
メアは最悪の可能性について考えざるを得ない。
ミチェスはたしかにここにいる。でも、もう私の知っているあの子じゃない……。
識者になにかされたのは明らかだ。
だが今や、メアの胸に怒りの炎が燃え上がることはなかった。
信じたくなかった。泣くことも笑うこともないミチェスが眼前に立っている。その現実から目を逸らすことだけに、彼女の心は動き続けた。
◆◆◆◆◆
「あんたに付けた名前、今では呪いのように思えるわ」
晩年、母はベッドの上でその言葉を繰り返すようになった。
だから臥せった母に侮蔑の目を向けるのは、当時のコニア・ジルトンにとって、日課のようなものだったのかもしれない。
自分の名前を呪うのは、なにも母ばかりではなかった。
ジルコニアを無理矢理もじったその名は、我が子から安らぎを与えてもらおうとする母の欲望そのものだったからだ。
コニアは母に与するものすべてを嫌った。機械工学の先進企業クレアトゥールの孫請け上層工場に勤め、ろくに家へ帰ってくることもない父のことさえ、コニアには憎らしく思えていた。父が家にいてくれさえすれば、あの怨嗟の声に苦しむのは、自分だけではなかったはずだから。
家ではいつも母と二人きり。
学校では、苛立ちに双眸をギラつかせたコニアに、寄ってくる級友など誰もいない。
彼女はいつも独りだった。
今になって思えば、あの頃、母も孤独に苦しんでいたのだと判る。病床に臥せった母を見舞う者はなく、仕事に追われる父が顔を見せることもなく、母はただ独り、近づいてくる死に怯えるしかなかった。コニアへの悪態の数々は、死の恐怖をまぎらわす方便であり、憎しみの力に縋ってでも、娘の目を自分に向けることにあったのだろう。
それでもコニアは、母のような人間にはなるまいと思ってきた。
人に恨まれるような、孤独な人間にはなるまいと。
そうしてコニアは分かりやすく異性を求めた。母が亡くなったあと、どうせ家には誰もいなかったし、生まれもった美貌のおかげで男を連れ込むのに難儀はしなかった。
だがどれだけ男を愛しても、肌を重ねても、彼女が満たされることはなかった。
彼女は自らの美しささえ憎んだ。美しいが故に、男たちは彼女の美しさしか愛してくれなかった。誰もコニア・ジルトンという一人の人間を見てはくれなかった。
畢竟、学生時代は独りのまま幕を下ろした。なにもない空虚な日々だった。得られたものはなにもなかった。
これから先も、そんな日々が続くような気がした。
いずれやって来る人生の終わりを想った。心臓を締め上げられるような恐怖を感じた。喉を潰すような悲鳴が溢れ出そうとするのを留めた。
そしてやって来た場所が、駄目元で受けたマティス・クリーン社だ。
恵まれた容貌が、彼女をその場所へ導いたのだった。
さらなる孤独と転生の地へと。
最初は当惑も恐怖もあった。自分がこれからどうなるのか。この男たちにどんな悲惨な運命を決定付けられるのか。
だがそれも次第に、虚無の中へと呑み込まれ、塵となっていった。身体を売ることに、さしたる抵抗もなかった。
コニアが求めるのはただ一つだけだ。
孤独を満たすもの。
それを失うことになれば、抵抗もするだろうが、彼女はまだそれを手にしていなかった。失うものはなにもなかったのだ。
だからコニアは欲望の獣たちに蹂躙されること自体を苦だとは思わなかった。彼女を苦しめたのは、やはり男たちの目が、この美貌にのみ寄せられていることにあった。
満たされたい。
願望は日に日に大きく膨れ上がり、ついに彼女の自制を破るまでになる。
満たされよう。
彼女は選んだ。決して選ぶまいとした、母と同じ道を。
憎しみによって、他人の目を誘う生き方を。
「穢れなき世界へようこそ」
この言葉が、憎しみの力をくれる。恨まれ、憎まれることで、「自分」という存在を初めて認識される。
そんな魔法の言葉に酔いしれながら、コニアは亡き母を想う。
あんたはこうやって気持ちよさに浸ってたのね、と。
◆◆◆◆◆
耳を聾する警報音はいつしか静まり、残響ばかりが耳に残った。
上階で起こったアクシデントは、どうやら治まったようだ。火災もあったらしいが、社外退避命令が出なかったので、そちらは端から脅威には感じていなかった。
短いアナウンスがあったあと、食堂へ一時避難していた社員たちは、ぞろぞろ持ち場へ戻り始める。まだ勤めて日の浅い若い子たちは、普段会話などろくにしないくせに「どうしたんだろ」と、互いに顔を寄せ合って小さく震えている。事務員の男たちはタブレットに指を滑らせ、ひと時も仕事を中断しなかった。
マティス・クリーン社へ勤めて六年になるコニアは、さしたる動揺もなく隅の席で暗く淀んだ外界を眺めていた。
非常事態を前にこんなにも落ち着いていられるのは、以前にも一度だけ、同じようなことがあった所為もあるだろう。
当時の事件は、たしか暴漢の襲撃だったはずだ。
今回も同じような類のものだろう。要は、コニアのような人間には、まったく関係のない話ということだ。
コニアは泰然として立ち上がり、持ち場へ戻る業務員の列へと加わる。
それは意外にも早く消化されてゆく。食堂を出た者から方々に散らばり、どこかへ消えていく。見えなくなる。
非日常から、腐った日常へ戻ってゆく業務員たちは、普段の憎悪の眼差しをくれなかった。
また不毛な毎日が続き、日常が浸潤してゆけば、それは還ってくるだろうか。
コニアは不安になる。
憎しみには、期限のない憎しみと、期限のある憎しみがある。憎しみの程度によってそれは決定付けられ、期限のある憎しみは、日々の有象無象の中で希釈されてしまう。
コニアへ向けられる憎しみは、後者に分類されるものがほとんどだ。信用は確実に失われるが、憎しみの継続は確約されない。だからと言ってコニアに、これ以上踏みこむ勇気はなかった。
ああ……。
心は日々摩耗してゆく。
孤独を癒す眼差しは、確固たる交流とは違う。真にこの心を満たすものを、コニアは手にすることができない。母と同じ道を選んだとき、コニアはその道を断ったのだ。覚悟を抱くこともないまま。
食堂から吐き出されたコニアは、混雑するエレベーターホールへは向かわず、階段のほうへ歩きだす。
そこでふと思い出す顔があった。
長い睫毛に縁どられた強気な双眸。顔面の均整をとる完璧な鼻梁。荒廃した世界には似つかわしくない潤った唇。張りのある頬は、意外にも柔らかくもち上がっていたのを憶えている。
彼女の名はたしか――ミール・ハチェット。
あの子はどうなっただろう。もう一度会えたときには、憎しみをくれるだろうか。あの美しい目を軽蔑に歪ませてくれるだろうか。
コニアは食堂へ引き返してしまいたい衝動に駆られる。あの場所には彼女もいたはずだ。まだいるかもしれない。彼女がすでに奴らの餌食になってさえいれば、新鮮な憎しみは眼差しを黒く染めてくれる。
だが、わざわざ引き返すわけにはいかない。監視カメラによって捉えられている以上、不審な行動は慎むべきだ。六年も勤めていれば、そんなことも判ってくる。
不要な言動が多い所為で、いつの間にか姿を消した子もいた。上に従順でない者は淘汰される。ここはそういう場所なのだ。
陰鬱な気持ちを抱えたまま、コニアは階段に足をかける。業務員の女の子たちが、隣をパタパタと通り過ぎてゆく。
作業場は四階。
見上げると、そこまでの道程が果てしなく遠く思える。階段の終わりは見える。だがこれを踏破すれば、また次の階段があり、またその次があり――。
踊り場の階数表示板の数字がずっと変わらなかったら、どうしよう。そんな気持ちになる。
けれど、はっと我に返れば、階数表示は四になっている。
安堵はない。寂寞としたものが胸を侵すだけだった。
踊り場を抜けると、僅かに右へ湾曲した通路がある。無数のガラス戸から漏れた光が、リノリウムの床を白く濡らし、けれどスモッグの影を伴って淀んで見える。その中途でぽつんと放り出されている台車に、コニアは物憂げな視線を送った。
先の警報音がまだ耳の中でわんわん鳴っている。
それなのにコニアの帰りを待っているのは、普段となんら変わりない日常だ。この世界は平衡的に保たれ、変化はすぐなかったことになる。こうして代わり映えのない日々が続く。乾いた人生はそっと幕を閉じる。
改めて考えてみて、ぞっとした。
そうやってあたしは消えていくのね……。
抗いたいと思う。
けれど、そんなことできるはずがない。社会に監視された一市民にできることなどなにもない。社会のために従順に生きる。それ以外に選択肢などない。
恐怖に足がすくもうと、投げ放された台車へ歩み寄るしかない。
だから、その陰から二つの赤いパンプスが見えたときは、心底仰天した。
「っ……!」
コニアは息を殺し、後ずさる。
そして恐るおそる覗き込んでみて、さらに驚いた。
そこにいたのは――
「ミス・ハチェット……?」
コニアが今、最も会いたい女だったのだ。
ところが、彼女の胸に黒々とした欲望が湧きあがることはなかった。寂寥に凍えることもなかった。
ただただ驚いたからだ。
そこにいる女の有様に。
ミールには、声をかけることさえ憚られる雰囲気があった。膝を三角に折って座り込み、かろうじて上げた顔は絶望に塗り潰されていた。
それはコニアの知るどんな女の顔とも違っていた。似ているが、明らかに異なっていると判るのだ。彼女はコニアの顔を見ても、一切の怒りや憎しみを湛えず、交わることのない眼差しは荒漠として見えた。まるで、底の見えない暗闇が続いているようだった。
コニアはそれに呑み込まれてしまいそうな気がした。目を逸らすと、罪悪感よりも安堵が勝った。
「あ、あんた、どうしたの?」
声が震えていた。ミールは恐ろしい女ではないはずなのに。恐ろしいどころか今、誰よりも弱く傷ついた女であるはずなのに。
なんだ、なんだ……?
コニアは当惑する。
なにが起こっているのか解らなかった。ミールがここにいる理由については、まったく考えなかった。コニアは自分が、そしてミールというこの女が、あまりにも不可解に思えてならなかった。
コニアはその理由をたしかめんとするべく、勇気を奮い起こしミールを見る。
そこに、答えがあった。はっきりと。
「……ちょっと疲れちゃったんです。初めてのお仕事だったから、まだ慣れなくて」
ミールが立ち上がった。
その声に淀みがあっただろうか。
いいや、なかった。
悲哀も絶望もなかった。怒りも憎しみさえも。
だが、その目には、感情の業火が燃え盛っていた。
なに、この子……。
ほんの一瞬、視線を交わらせただけのはずだ。
それなのに、身を焼かれる思いがした。身体の芯で、胸の奥底で、ひりひりと痛みが疼いた。
勘違いしていた。
いや、先程彼女に感じた印象は、おそらく間違いではなかったのだ。
しかしそれは彼女に宿った感情のほんの一側面でしかなかった。
ミールは絶望に打ちひしがれていたのではない。それすらも取り込んで燃えていたのだ。
その炎が怒りなのか憎しみなのか、はっきりとした正体を掴むことはできない。助けを求めるように、リノリウムの床を睨むのが精一杯だ。自らの心さえ、ミールに灰燼へと変えられてしまうような気がして怖かった。
「でも、もう大丈夫です。戻ります」
「あ、うん……」
そう返すのがやっとだった。彼女の声を聞くだけで、これまで自分が抱えてきた感情の卑小さを思い知らされるような気がした。
コニアは恐るおそる視線を持ち上げ、遠ざかってゆくミールの背中を見たる。
ナースコスプレのような純白のミニワンピースの背中が、カーブへ沿って消えていこうとする。
「ね、ねぇ!」
なぜか呼び止めていた。あの業火を前にしたら、今度こそ狂って叫びだしてしまうかもしれない。そう思うのに。
ゆっくりとミールが振り返る。
心身の疼きが戦慄になる。ごくりと唾を呑みこむ音より、早鐘を打つ鼓動のほうが騒々しい。
「なんですか?」
目があった瞬間、思わず「あ」と声が漏れていた。
夢を見ているような気がした。
交錯した視線。
コニアはそこに、なにも感じ取ることができなかったのだ。
先の感情の奔流はどこにもなかった。
コニアを見ているのは、先の女ではなかった。
ミール・ハチェットというただ若く美しいだけの女だった。
「いや、その、あんまり無理しちゃダメよ」
しぼり出した言葉の頼りなさに震える。
あたしはなにを恐れてるの?
「ありがとうございます、ミス・ジルトン」
言葉は耳を通り抜けて虚空に消える。
残るのはあの眼差し。彼女の周りにあるすべてを呑み込んで焼き尽くしてしまうような苛烈な眼差し。
ああ……。
コニアはようやく恐れの正体に触れた気がした。
あの子はきっと変化そのものなんだ。
コニアが諦めて捨ててきたものを、彼女はもっている。それを持てと命令するかのように、あの女は存在しているのだ。
今朝初めて会ったときには、なにも不思議なものなど感じなかった。また若くて綺麗な女の子が来た。真面目そうな子だ。そんなことしか思わなかったはずだ。
だがあの子は違った。
決定的に違っていた。
コニアは自らの両肩を抱いて蹲る。恐怖に抗えなかったし、抗う必要もないような気がした。
心の端に熱いものが滲んでゆく。
目まぐるしい心境の変化に、自嘲的な笑いがこぼれた。
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