続々・メリーさん
メリーさんがまた来た。
『もしもし、わたしメリーさん。あなた奥さんに何かしたの?』
「根拠をどうぞ」
『あなたの奥さんね、わたしが来たら絶対「あ!メリーちゃんいらっしゃ~い!頬っぺたぷにぷにして良い?」って言うの』
「頬っぺたぷにぷに」
『それでね?頬っぺたぷにぷにした後は絶対「や~ん今日もぷにっぷに!もちもちデラックス!!」って言うの』
「もちもちデラックス」
『それが今日なんて言ったと思う?「あら、来たの?」って言われたのよ?いつものぶち上がり方がワン○クのライブそのもの故に温度差で風邪引くかと思ったわ』
「態度の温度差で風邪引いてたら僕なんか年がら年中インフルエンザだけどね」
『比喩表現って知らないの…?』
というのは流石に冗談としても、確かにそれは変化が著しい。それほどメリーさんにしゅきぴを飛ばしていた妻が、確かに今となっては来客用の茶請けさえ出さない現状だ。僕なんかには飲み物も出さず、あまつさえ漆黒に焦げ上がった謎の物質を拳骨よろしくに叩き付けたくらいだ───ちなみに味はよろしかった。
「…まぁ先日の話だけど、色々あってね」
『色々…?』
『待って、それあなたが確実に悪いじゃない』
「何故!?何故みんな僕が悪いと言うんだよ!!迫られたのは僕だぞ!?」
『あなたがどうこうじゃなくて状況が完全に悪手なのよ。その展開に持ち込まれた時点でゲームオーバー、あなたの実力不足ね。こういう時の女は理屈じゃないのよ。顔でも洗って出直してきなさいダメ男』
「ぐうの音も出ないッ…!」
まさか幼女(見た目)の幽霊に説教を喰らう日が来るとは思っていなかった。…まあ確かにその通りだ。あの状況では、いくら僕に非が無くとも弁明もクソもありはしない。
…無駄かもしれないが、謝ってみるか。
「…あら、まだいたのね」
『えぇ。ちょっと旦那さんがあなたに言いたいことがあるらしくて。その相談にね』
「ふーん、何かしら。一応言っておくけど市役所は500m先よ」
「
これはもう…行くしかない!
「すいませんでした!!僕が悪かったです!!」
「あなた…」
…こ、これは上手くいったので
「無理ね」
「あ、はい」
メリーさんは帰った。
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