厄介ごと+厄介な物

ネオスの王宮の岩に閉じ込めてある書物ににているなあ。

ひとりでにページが開き文字が煙のようにでる書物を見てカミュールは考える。

「これはやばいね。この手の魔術書があちこちにあったら何かしらこの世界に影響するよ。」

カミュールの肩に座るローゼンが言う。

「俺が見つけたこいつだけならなんとかなるが何冊もじゃたまらないな。」

ユーキスがこちらに転送してしまったネオスの城には儀式ように香木があった。

だいぶ湿気てはいるが乾かせば使えそうだ。

ただこの本を納める程度しかない

分厚くでっかいのだ

「よしと。」

本を押さえ込むと表紙にズングリとした体の鳥が現れる。

『大事な言霊達がもれた。仲間も離ればなれになってしまった。困った困った。』

やはり精霊を封印したものだったか。

「あなたはこの本に封じられたのですか?」

『我々の世界にはイロイロの言葉が降り注ぐ。あのお方は世界に影響を与える言霊を我々に預けたのだ。この書物のページにはあの方の髪が織られている。困った困ったあの木もないし。それにしてもこれはこの木はいいのう。』

本の中で精霊は目をつぶる。

「イロイロきこうと思ったがダメか。」

カミュールがため息つく。

「だからー拾っただけだよ。」

ドタドタと音がする。

「拾ったて普通はぬいぐるみは動かない。」

バタバタ

ボフン

カミュールの頭になにか抱きつく。

「ユーキスいい加減にしろ。」

べりと頭からはがす

「ゴホッゴホッ汚いなんだれ?」

ローゼンが咳き込む

カミュールがなげたのは目がも耳も綿が出ている犬のぬいぐるみだった。

「なんでぬいぐるみが動くんだ?」

『借りの器をしてるだけです。私は女神アテネス様にお使いする者なのです。私がおあづかりしていた言霊を悪者にとられ私は破壊されてしまったのです。』

またややこしいのがとぼやきたいカミュールだ。


『ギャハハ、くすぐったいです。』

瑠璃がぬいぐるみを洗っている。

「あなたはどこからきたの?」

『私はエル王の兄アマン王が治める小さな国にある【言霊の森】からきました。』

ぬいぐるみがしゃべる

このおかしな現象を受入れ会話をしている瑠璃にカミュールは驚いている。

娘の花音もこの変なぬいぐるみに大泣きしているし、旦那の昴も警戒している。

「言霊て言葉には魂が宿るというやつでしょ。文字の森かしら?」

「我が主がおっしゃるには森に降り注ぐのは文字なのだそうです。こちらと同じように木があるのですがその木々は王国を支えているのです。このような図ですかね。」

ベランダで洗われているのだがその手で床に図を描く。

半球体に木が生えたような形だ。

「ウニバルゾの者ではないな。ティムが言っていた空間の者か。」

ティムと言うのはウニバルゾの神様のような存在のお使いの鳥、ティティ一族の姫だ。

時空を飛べる彼女は以前、ペトモンが来る世界を検索したことがある。

『私はエル王の王国をヤマタイコク、アマン王の王国をクマソと……ボフンボフン。』

瑠璃が乱暴にタオルで絞るのでボフンボフンになった。

「乾かして綿を入れて縫わないとね。」

ベランダに吊るされる……ネットにいれて。

「瑠璃……これは可哀相だろ。」

がさつな扱いに昴が突っ込む。

『だっだいじょうぶです。少し寝るにはいいとこです。』

そのまま放置される。


「あのぬいぐるみが歩いてるのを見つけ拾ったと。」

サイがまた炎をだしそうな勢いだ。

「話をまとめれば『ヤマタイコク』のアテネスというものに使えている者の魂があの汚いぬいぐるみに宿ったというわけか。」

カミュールが顎をなでながら言う。

「何年かぶりに日本に来たから普通にショッピングデをしようて出かけたら小者だけど闇の生き物を見つけたんだ。それを追っかけたらヒディーが強いのと戦ってるとこに出くわして。そこであのぬいぐるみを拾ったんだよ。」

カミュールからげんこつサイから炎ムチをされたユーキスが答える。

「ヒディーさんはどうしたんだい?」

「変な玉を飲み込んだから人形になれないかは広いとこに行くってさ。」

余計にややこしいことになったようだ。

「スィーラどのの話ではネプチューンの闇の封印をバカ王がメチャメチャにしたらしいので。それであちこちに魔物が出ているのかも知れませんね。とにかくペトモン達も集めて話あわなくてわ。」

精霊を封じた言霊の本は一冊ではないようだ。

困ったもんだな

ウニバルゾなら魔術師や知恵者がいるがこの世界にはいない。

頼みはスィーラしかなさそうである。

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