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「さっきから質問ばっかりね。……加護っていうのは、昔から伝わるおとぎ話みたいなものよ。四大国には太古から四精霊が住んでいて、その地で生まれた者は、その精霊の魔法属性を与えられると言われていたのよ。私とピロロは風の国ドニウが故郷だから、風の加護で風属性ってわけ」

 おお、なるほど。

「今日の説明はわかりやすいな。つまり火の国生まれなら火属性とか、そういうことか」

「ほんと!?」

 するとアギーは声音をはずませた。『わかりやすい』という単語に反応したのだろうか。

「そうなの! でも現代では、単純に種族の遺伝によって属性が決まってるっていう結論に至ったんだけど、私は加護っていう方がしっくりくるのね! それはたぶん、おじい様がそういう話をよくしてくれたからで──」

 興奮した様子でそこまで言って、彼女はふいに喋るのをやめた。我に返ったという感じで真顔を作り、そっぽを向いた。

「あー。……ほんと、嫌いだわ」

 心なしか尖った耳の先が赤くなっているように見えるが、気のせいだろうか。意外な一面もあるようだ。

「は、話を戻すと、例えばあなたなら水の加護ってことね。だから『レタ』に行ってみたり、同じ加護の種族と一緒にいれば、治るかもしれないわよ? その危ない洗脳も」

「はあ、ソウデスカ……」

 結局、お馴染みの辛辣な言葉を受けたところでマギパッドのアラームが鳴り、お互いに教室へ向かうことになった。

「……なんだかんだと言いつつ、いつも真面目に話を聞いてくれるんだよな」

 近ごろアギーのことを、やはり良い子なんだろうなあと思うようになってきた。仮にそれが家柄のせいだったとしても、実際に学園で話をしてくれるのはアギーしかいない。

 あ、ピロロもだけど。それは例外として。

「風の国ドニウに水の国レタ、か」

 いったいどんなところなんだろう?

 それから俺は休み時間などを使い、それぞれの国のことを調べるようになった。現地に行くことを想定して調べる際、特にあることを重点に置いた。

 もちろん、費用面だ。

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