語られる衝撃の過去?気になるのはそこ!?

残り35時間くらいか。そろそろ、乗り出さないとやばい。

 国家クラスに命を狙われる痴漢などそうはいないだろう。まちがいなく、マッチョな空挺隊員がマシンガンとミサイルでおれを狙ってくる。おーこわ。

 襲撃場所は全回と同じ、早朝の予定だ。そこでパンツを奪取!小田急線を逆行して、新宿へ戻る。完璧だ!

 脳内プランをたてながら、丸太のスカートをめくり続ける。

 この日課、今後も続くのかなああ・・・高速スカートめくり。言っててはずかしいが、じじいがやったのはそういうことだ。常人が眼に追えないほどの速度でスカートをめくり、あるいは手をスカートの裾を利用をして、手を隠すのだ。たいていの女の子はめくられないように手でスカートをおさえるでしょう?おれはそれに一工夫することにしている。

 高速でめくれるようになると、いろいろ便利だ。まず、女子は気がつかないだろう。

 まてまて、おれはいったい、これから何をしでかすんだ。下着泥棒だ。

「源治」

 おれは振り向いた。そこに小さな老人がいた。じじいだ。

「おれの名前は・・・」

「すまんすまん、パンツマスター、ちょっときなされ」その名前は永久に忘れろ。

 そこは古めかしい衣装タンスがある部屋だった。

 これはまた、古そうなタンスの一番下の横長の引き出しから、黒の忍び装束を取り出した。そう、昔の時代劇でみた、あの忍び装束だ。

「これとのう・・・どこやったかのう」ほかの引き出しをごそごそ、ごちゃごちゃしてひっかきまわす老人。

 ぽとんと落ちる。それはヤクザ映画で見たような白鞘の短刀であった。匕首ってやつだ。

「これじゃ・・・これ・・・おい、源治・・・やる・・・」

 じじいは匕首を拾い上げ、おれに掲げる。

 ボケ老人に突っ込みはいれられない。おれは従い、短刀を抜いた。

「なんだ、こりゃ・・・・竹光じゃないか!」

 金属製の刃ではなく、明らかに竹製の材質で刃をかたどったものだ。

「一度、これ着てみてくれんかのう・・・」

 おれは従った。その黒の忍び装束はおれにあつらえたとしか思えないほど、ぴったりだった。黒の頭巾。黒の手甲。黒の作務衣 黒のステテコかあ?

 腰の部分に短刀をくくりつけて・・・、インスタント忍者の完成!

 大きめの鏡をうれしそうな顔をして、もってくるじじいに少し愛嬌を感じた。

 鏡には時代劇「影の派閥軍団」にでてくる忍者そっくりであった。

 おれはこの格好で明日、行う大仕事はパンツ泥棒だ。それも生パンだ。

「源治、明日はお国のために働けよ」だから、おれは源治じゃねえって。

 じじいは語った。

 自分の過去を、肝心なことを一切語らない形で。

 世界大戦の時代に、じじいはドイツとイタリアを股にかける性犯罪者の皮を被った諜報員で、主にドイツの内情を探っていた。

「独ソ戦・・・あのタイミングを探れなかったのが何度考えてもくやしかったのう・・・」

 どくそせん・・・山菜料理のことか?

「あの戦争の事前情報を早く軍部に伝えていれば、違う結果もあったかもしれん・・・」

 だからなんなんだ。

 じじいはおれの姿を見て、泣いていた。

「このような国崩し・・・成功させてはならん・・・

                  源治・・・お国と陛下のために役に立てよ」


「わかった・・・一度だけだぞ?」


 お国のため、陛下のため、国民のためにJKのパンツ盗ませて頂きます。


「ところで、この衣装・・・どうやって・・・小便をするんだ?」

 おお、ここか・・・この隙間からね・・・ふむふむ・やっぱり、ふんどし借りるわ。

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