パンツを穿かせる意味がわからない!

翌朝!

 たたき起こされたおれは、猫を抱いた爺と一緒に小田急線の電車に乗り込んだ。

 周囲は学生ばかり。猫を抱いた老人はJKやJCに大人気!

 朝のラッシュアワー。東京ほどではないが、かなりの混雑だ。

 老人は和服の懐から、女物のパンツを取り出した。

 おもむろに、白猫に穿かせる。ぴったりだ。

「さあ、この光秀くんのパンツを奪ってくるのじゃ!」

 そんなこと、電車の中で言うんじゃねええええ!

 白猫の光秀は、パンツを身につけたまま、脱兎のごとく、走り回る。

 騒ぎ出すJK達。おれは慌てて、追いかける。

 追いつくのは簡単だ。ただし、捕まえるのは難しい。

 猫の身体能力は人間を上回る。おれは右手、左手、あるいは両手を延ばして、つかもうとしても白猫は上手い具合におれを避けてくるのだ。

 ここは混雑電車の中である。もう頭や肩は人にぶつかり放題。

 OLのお尻に頭を打ち付けたときに、ハイヒールのキックをもらいました。痛い。

 端でみる迷惑行為を20分ほど、繰り返し、光秀君を捕獲することに成功し、じじいのもとへ戻った。

「バカ弟子がああああ、ちゃんとパンツを奪えといっておろーがああああ」

「そんなの無理じゃああああああああああああ」

「なにをいう?人間も猫も犬も、常に足と尻を動かしてるのじゃぞ? 

 それを指と目で追うための修行をしておるのじゃ

 猫の尻も追いかけれないのに、人間など無理じゃ!無理!ちなみに光秀は雌じゃ」

 やかましいわ!そんなこと、言う前に光秀君は再度、放たれる。

 どう見ても、おれは猫から嫌われている。猫の尻にあるパンツだけを奪い取るのは、

これはまたうまくいかないのだ。指先が尻に到達前に、猫の爪がおれの手をたたき落とす! 無様にすっころび、おれはJKのスカートの中にダイブ。連続キック攻撃。

 おれの顔は足跡だらけになったが、じじいはあっさり光秀のパンツをはぎとり、勝手に下車をした。


 多種多様な修行内容・・・主に動物相手だ

 パンツを穿いたハト・・・「飛んでいったぞおおお」

 案の定、パンツを穿いたドーベルマン「向かってきたきたぞおおお」

 予想はしていたが、まさかアライグマにパンツを穿かせるとは・・・

 次にニホンザル・・・これはまたすばしっこい!

 やっぱりきたか・・・スカートを穿いたツキノワグマくん!って死ぬわああああ!


 すっかり、夜になり、おれは日課のスカートめくりを終えた後に、檜造りの温泉に入ることができたわけだ。うわ・・・体中、生傷だらけ・・・

 明日も同じなんじゃないだろうな・・・と、必死にコツをつかもうと思考の海に沈んでいるときに、だれかが風呂に入ってきた。

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