第十七回 ストーリーのない「好き」について
ただなんとなく、劇的なきっかけもなく、ドラマ性もない。それでも愛しいと思えるモノやコトがある。
私は空手を習っている。小学一年生の時に始めたので、もう十年以上続けている。運動は苦手でチームプレイは迷惑をかけるので嫌いなのに、空手は続けている。昔は空手が嫌いだった。今はもう嫌いでも好きでもなく、ただ行く。ただ行って、気持ちよかったなと言う日もあるし疲れる日もある。道場で恩師に会うのが好き。なんとなく、そういう風に道場に向かうコトを愛しく思う。
こういう「ストーリーのない好き」ということを書いた小説が好きです。愛しい日々を書いた作品は静かで、温かく、どこかせつない。そういう作品が好きです。短編小説ではそのような作品に出会うことがあり、それも短編が好きな理由かもしれません。
具体的には雪舟えまの「凍土二人行黒スープ付き」綾瀬まるの「くちなし」など……。少し不思議で愛しい物語が心地よい。
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