第十六回 たまらなくツボな描写
私は漫画が好きです。
どちらかといえば少年漫画が好みですが、本当は短編が大好きです。なんでしょう、短編独特のあの雰囲気というか空気感がたまらないんですよね。短編で好きな漫画家は阿部共実と吉野朔実と宮崎夏次系。この三人がたまらないんだ。
阿部共実で好きな短編は『死にたくなるしょうもない日々が死にたくなるくらいしょうもなくて死ぬほど死にたくない日々』通称『死に日々』。吉野朔実なら『いたいけな瞳』(特に男女三人が共同生活する話が好きです。死んだ妻をずっとベッドに寝かせておく話も好き)宮崎夏次系なら『僕は問題ありません』(特にその中の『肉飯屋であなたと握手』)……大好きです。
小説でも漫画でも、短編っていいですよね。大好きなんです。ショートショートではなく、短編。短編ってこう、勢いというか、テンポがいい。短く収めるという制約の中で感情描写が巧みだと心が震える。詩にも私は似たような感情を抱きます。
例えば高村光太郎の『レモン哀歌』の「生涯の愛を一瞬に傾けた」という一文。
……もう、最高じゃないですか!?本当、美しすぎて読むたびにため息が漏れてしまいます。教科書に載っていたのを初めて読んだ時はなんとも思わなかったのに、今はもう、この詩の虜です。
私はこういう、凝縮するというような表現に弱い。
私が人生をかけて築いた思いをあなたに、今この瞬間、注ぎます。って、それだけで胸が締め付けられる。心の震えが伝染して、脳を揺らす。こういう感動を短編では感じられることが多いように感じる。
阿部共実と宮崎夏次系(特に阿部共実)は人を選ぶと思うけど、吉野朔実はそんなにクセはないと思います。ただ三人とも本当に素敵な漫画家さんなので興味があればぜひ!!絵がとても美しい方々です。ぜひ!
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