第4話 あっち、こっち、教室
そもそも、ここでは何をすればいいのだろう。職業訓練?勉強?
いや、社会復帰を目指してるんだから、それは当たり前だろう。
一体、何をすればいいんだろう。
部屋に戻って、考え続けること十分。考えても答えが出ず、寝ることにした。
考えても仕方ないことは、仕方ないのだ。
うとうとし始めた辺りで、無理やりに起きた。
「……また、あの夢をみたらどうしよう…」
あんな夢、一回きりでいい。
しかしそう考え始めると止まらず、眠気が消え去ってしまった。
ああ、最悪。
「……もう一回、考えてみようかな」
暇潰しにはなりそうだ。
まず、どんな更生プログラムがあるのだろうか。
私はパンフレットも知らず、無理矢理ここへ行かされたのだから。
今の所、職員の人が呼びに来る様子もないし、
その後、また十分考え続けたが、答えは出なかった、
「………どっか、行ってみようかな」
少なくとも、部屋にいるよりまともらしいだろう。
私は、また部屋を出た。
しかし、大した理由も無く部屋から出ようとするなんて、普通の人間のようだと自分でも思う。
廊下をぶらぶら歩いているだけで、少しは健常者らしい振る舞いに思えるから不思議だ。
「……ん?」
壁に、張り紙がしてある。
可愛らしい太く丸みを帯びた文字で、右図書室、左教室と書いてあった。
「……職員さんの字かな」
しかし、文字が幼い子供のものに見えるのが些か奇妙に見える。…子供の職員なんているはずも無し。…中身が子供のままの落伍者が書いたものかもしれないと勝手に結論付けた。
「……さて、どっちに行こうかな」
そもそも、教室って。やっぱりこの施設では何かを学ぶのか。しかし、何を。
……気になるな。
「………まずは、左へ。行ってみますか、教室」
教室と書かれた張り紙の書かれた方向に進んでいった。
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